しつこい坐骨神経痛に効く簡単マッサージ
-中医学的坐骨神経痛マッサージ方法-

筆者
はらだ鍼灸整骨院 院長 原田浩一
"はり・灸と健康は仲がいい"

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どんな症状が坐骨神経痛なのか

坐骨神経痛は病名ではなく、症状名であり、根本的な原因は腰の病気だけでなく様々です。

すなわち坐骨神経が通っているところに沿って現れる、痛みや痺れの症状を総称した言葉です。

一般に言われる坐骨神経痛は、神経が腰部から出て、骨盤をくぐり抜け、お尻の筋肉から顔を出すまでの間のどこかで圧迫や締め付けなどの障害が起きたために発症します。

日本整形外科学会によると、「坐骨神経痛は、腰仙部坐骨神経の支配領域、すなわち臀部・下肢後面あるいは外側面へ放散する疼痛自体、あるいは疼痛を呈する症候群の総称」と定義しています。
(https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_029.pdf)

坐骨神経痛の原因と症状


坐骨神経痛の原因として、現代医学の視点からは4つのタイプに分類しています。

①腰痛疾患から起こる坐骨神経痛を始めとして
②梨状筋の筋緊張萎縮による神経の圧迫により起こる坐骨神経痛 
③内臓疾患から起こる坐骨神経痛 
④心因性から起こる坐骨神経痛
⑤筋筋膜性腰痛症(腰痛症)の重症化

私個人の見解ですが、臨床的によく見られるので、⑤も坐骨神経痛の分類のなかに含めています。だから私は5つの視点から分析しています。

~病院などの医療機関を受診して分かることは~


・検査の内容
単純X線撮影やエコー、CT、MRI、血液検査など。

客観的な視点で骨の状態や身体の検査が受けられる。
現代医学的な視点で見た自分の病態を把握できる。

・治療の内容
 薬や注射を使って、痛みを改善する。
手術療法など。
 
客観的な検査で自分の病態を把握することは大切です。また、投薬・注射は、痛みを和らげるという意味では、効果的な治療の一つです。

~鍼灸院や整骨院でできることで大切なことがあります~


病院で、腰の骨の病気が原因で神経痛が起こっていると診断されました。
骨の疾患は、手術するほどではないと言われましたが、薬を服用してもなかなか神経痛が治らないと言って、来院されるケースがよく見られます。

「薬が効かない」、「それなら仕方ない、手術をしよう」ではありません。

腰の骨が神経痛の原因であったとしても、神経痛が起こるのは、骨が悪いからだけではありません。骨を支えているのは筋肉も同様に関与しています。

骨は、さほど悪くなくても、骨を支える筋肉が凝って固まれば、神経痛は起こります。
とくに筋肉の浅層から深層までガチガチに硬くなり、深層では粘土のような硬い筋肉になってしまっているケースによく出逢います。

また骨盤や背骨など、骨の歪みが原因で神経痛も起こります。

筋肉の緊張を改善させ、骨盤や背骨の歪みを修整すると、骨の疾患があっても、神経痛はほとんどのケースで改善します。

鍼灸院や整骨院では、このようにして激しい痛みの神経痛も改善させています。

坐骨神経痛にマッサージの効果はあるのか?

坐骨神経には、太ももやふくらはぎ、臀筋群の筋肉をゆるめるマッサージが有効です。

どこでも行え、痛い時でも状態に合わせて行える、とても効果的なマッサージをご紹介しましょう。

~太ももの筋肉を緩めるマッサージ~


拳を軽く握って、心地よく太ももの筋肉をたたいてゆきます。
太ももの外側面・前面・内側面を100回ずつ声に出し数を数えて行います。
太もも全体を順番にほぐしてゆくのです。

その際、心地よい刺激が大切です。最初は痛いので、弱いぐらいの強さで行います。
痛いと思っていなかったところが、叩いて見ると、痛いことが分かります。
あちこちで見つかると思います。
立位でも行えますが、座位か横になる方がやりやすいです。

~ふくらはぎの筋肉を緩めるマッサージ~


膝を立て、太ももを引きせよ、ふくらはぎも全体に叩いてゆきます。
ふくらはぎの中央や、膝の下部は、筋肉が緊張しやすく、叩くと痛みを感じるところです。
叩いて痛いところは、筋肉が緊張したり疲労しているところで、叩くことで改善されます。

叩く強さを「痛・快」で表現すれば、少し痛くても、常に心地よい「快」が優先していることが大切です。
筋肉は、痛いのを我慢して強くマッサージを行なったら緩むというものではありません。逆に揉みおこし、筋肉痛につながります。
自分が心地よいと思う刺激に対して反応し緩むものです。
心地よいほど、筋肉は緩むので、力加減が大切です。

~お尻(とくにズボンの内ポケットの辺り)を行います~


叩くという動作は、誰にでもでき指圧とマッサージの両方の効果が得られるのです。

臀筋群や下肢の筋肉を緩めるだけで、腰部をしっかり支えることができ、腰部・筋群の過重な負担を軽減することができます。
簡単で誰でもできるので、毎日でも続けることができます。

~マッサージのコツ~


コツは、太鼓を叩くように、ズシンズシンと奥に響くように行うことです。
この時、角度と強度が大切です。

最小の力で心地よい刺激を感じる角度・強さを見つけ出します。

力が要らないので、苦痛を伴うことがなく、続けることができます。
太ももの外側、まん中(中心)、内側を拳を握って心地よく刺激します。

椅子に座っていてもできます。座位で足を投げ出していてもできます。

~腰のストレッチで骨盤の歪みが改善できる~


仰向けに寝て、腰を左右に捻ります。
息をはいて、左右に交互に倒し、心地よくストレッチします。
1回を30~60秒かけて行います。

左右行なって、どちらが曲がりやすいか、曲がりにくいか確認します。
左右両方同じ人は、左右同じ回数を行います。

何れか曲がりやすい方がある場合は、骨盤が曲がりやすい方に捻れているので、膝を曲がりやすい方と反対側に倒し、ストレッチを行います。
3ないし5回行い、いきにくい側が曲がりやすい方に近づくようにストレッチを行います。

骨盤の歪みは長年の習慣になっていることが多く、クセを直すことは容易ではないですが、続けて行うと必ず効果が出てきます。
姿勢の歪みやねじれも神経痛の原因の一つであるので、このストレッチも有効です。

中医学から見た神経痛の起こる要因

1.食生活の改善


[推薦例]
・肉や魚などの動物性の食物を摂る場合、相当量の野菜が必要です。
茸や海藻なども採り入れましょう。少量で多種類の海・山・畑で取れたものをバランス良く食しましょう。
血液を弱アルカリ性に保つことで筋肉が一番柔らかくなり、酸性化すると筋肉が硬化します。
バランスの良い食事を摂ることも、神経痛の改善のための要素なのです。


[適切でない例]
・肉や油もの、アルコール、濃い味つけや冷たいものの過食や明かな偏りは、新陳代謝を悪化させます。とくに古い体内水分が体内に停滞すると、身体が重だるく疲れやすくなります。

また動物性に偏った食生活は、血液が酸性化しやすく、イライラしたりストレスが溜まりやすくなります。

悪い食生活やストレスにより血液が酸性化すると筋肉が硬化して、筋肉の弾力を低下させ、回復力を悪化させます。

2.ストレスの改善


ストレスが溜まると、身体の中の気・血・水の流れが悪化します、
気の流れが停滞すると、体内の血流や水分代謝が悪化します。

血液は酸性化し、血流が悪くなり、筋肉を硬化させます。
長く停滞した水分によって身体は重だるく疲れやすくなります。

また停滞した水分は筋肉に留まると、筋肉は粘土のようになり弾力を失って硬くなり、神経圧迫を引き起こします。またあらゆる疾病の回復を妨げます。

ストレスは、ほとんどの人が気づいていないのですが、様々な疾病の自然回復力を妨げるのです。

3.姿勢の改善


・パソコンや会議で長時間にわたる座位を続けたり、悪い姿勢で座わると、骨盤の歪みやねじれ、猫背などにつながり、腰に負担がかかります。

悪い姿勢も、神経痛の一つの要因なのです。

・左右一方の足に重心がかかる動作は、腰においても左右どちらかに体重がかかり、一方の筋肉だけに負担がかかることになります。バランス良く体重をかけるようにしましょう。

姿勢については、後日公開する「ヨガによるリハビリ体操」をご参照ください。

4.生活習慣の改善

充分な睡眠を取ること、バランスのある食生活、ストレスの解消、姿勢や動作の改善は、疾病の回復力を高めます。

自分で行うマッサージが、坐骨神経痛にもたらす3つの効果

① 筋肉を緩める

臀筋群や下肢の筋群は、腰を支える筋肉です。それらへのマッサージは、これら筋肉の疲労回復につながり、腰の支持力を回復させます、その結果、腰の筋肉の負担が軽減され、神経圧迫の改善につながる効果があります。

② 血行を促進させる

血行を促進させることで、筋肉の緊張・萎縮を改善させ、神経の炎症を鎮める効果があります。

③ リラックス効果


リラックスすることで、気・血・水の流れが良くなり、新陳代謝が向上し、自然回復力を高める効果があります。

マッサージによって治療の効果を持続させ、回復を促進させることができます。

坐骨神経痛のマッサージでやってはいけないこと・注意点

食後すぐや、強い刺激は避けましょう。食後すぐは、消化のため腹部に血液が集中しています。マッサージにより、血液の流れを分散させない方が良いでしょう。また強い刺激は、神経の炎症を悪化させる可能性があるので避けましょう。

マッサージはいつやれば効果的か


マッサージを行う時間は、空腹でもなく、満腹でもない、食後2時間が一番適当です。
しかし実際は、時間を限定するとなかなかできないと思うので、空いている時間を見つけて行うことをお勧めします。
夜寝る前や朝起きた時にマッサージを行うことは、習慣になりやすいので、お勧めします。

まとめ


マッサージやストレッチは有効な手段の一つです。
しかし身体は自然回復能力を高めることで、すべての疾患の改善の促進につながります。自然回復力を増すためには、充分な睡眠、バランスの良い食事、ストレスの解消や規則正しい生活、および姿勢や動作の改善が大切です。
さらに深い呼吸は、副交感神経を高め、自律神経を安定させるので、マッサージは大きな声で吐く息で行いましょう。

筆者
はらだ鍼灸整骨院 院長 原田浩一
"はり・灸と健康は仲がいい"

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