五十肩・四十肩|当院の施術方針

筆者
はらだ鍼灸整骨院 院長 原田浩一
"はり・灸と健康は仲がいい"

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中医学から見る五十肩の原因分析

五十肩の原因は、体質で分類できます

一般的には「軽傷で済むか重症で済むかの仕組みははっきりしない」とされていますが、当院では原因を体質で分類し、分類に応じて治療していきます。ここでは、どの様な体質が関与するのか、そのメカニズムを説明します。
五十肩は慢性的な体質異常を改善させると、早く改善します。

1.水分代謝が悪化したケース

体内の水分代謝が悪く、古い水分を代謝できずに身体内に残留しているケースのことです。古い水分は筋肉の中に溜まりやすく、筋肉は沼のようになり、粘土のように硬く柔軟性を失います。こうなると血流が悪くなり、筋肉の栄養を妨げます。
このようなケースでは、一つ一つ筋肉を和らげて、リンパの流れや血流の改善を促し、沼のような筋肉を柔らかく弾力性のあるものに改善する必要があります。全身の水分代謝を良くすることも大切な治療の一つです。
急がば回れで、体質を改善していくと、後は意外にけろっとして早く改善します。こういうことを知らないで肩の筋肉ばかりに注意を奪われていると、なかなか改善しません。

2.血液の流れが悪化したケース

全身の血液の流れが悪くなると、当然、肩関節周囲の血液の流れも悪くなります。そして、筋肉に充分栄養がいきとどかず萎縮してしまします。
このケースでは、肩関節周囲の血流を良くすることも必要となりますが、全身の血流を改善することがより大切になります。
部分は全身の異常の表れである。全身の異常を改善すれば、部分は良くなるのです。

3.経絡の走行上の経気の流れが悪化したケース

気や血などといった生きるために必要なものの通り道である「経絡(けいらく)」の観点から見れば、五十肩・四十肩の患者様に、大腸や肺、小腸の経絡の走行上に経気の鬱滞や炎症がみられることが多いことがわかりました。これらは、その経の経気を促す、または炎症を取り除くツボを使って画期的に改善されるケースがよくみられます。この場合、ツボとツボを結ぶ「経絡(けいらく)」上の一穴の鍼で、腕を挙げれるようになることもあります。

4.気の流れが悪化したケース

五十肩・四十肩は痛みによる苦痛を伴うために、その痛みがストレスとなって全身の気血水の流れを悪くします。そのために更に治りを遅くするのです。
ストレスは胃や腸、心臓などの内臓に影響するだけで無く、筋肉や関節などの運動系疾患にも影響するのです。
五十肩は、その場しのぎの治療や自然回復に任せるのではなく、積極的な治療・体質改善が必要なのです。

五十肩(四十肩)の治療法

五十肩に鍼治療は有効なのか?

よく五十肩に鍼治療は効くのか?という質問を受けることがあります。 鍼治療が五十肩にどのような効果があるかを、これからくわしくお伝えしていきます。

鍼麻酔(導通鍼)を取り入れて痛みを早く取り除きます

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まず急性の痛みを取り除くために、導通鍼を施します。
「合谷、後溪、外関」という三穴に鍼を施し、肩関節を運動させながら肩関節部に鍼を打って、その周囲の筋肉の緊張と痛みを同時に取り除く手法です。
導通鍼は、鍼麻酔の経穴に鍼を刺針し、脳内モルヒネを分泌させる技術です。脳内モルヒネは、痛みを顕著に抑制することができます。脳内モルヒネは、もともと体内に存在する物ですので全く副作用が無く無害です。導通鍼によって痛みが緩和し、可動範囲が一気に広がることが多いのです。

原因となる周辺全ての筋肉に対して一つ一つ丁寧に鍼を施し、筋膜の炎症や筋肉の緊張を和らげます

導通鍼をやった後は、筋萎縮と炎症を一つ一つの筋肉に対して取っていきます。腕だけで無く、首・肩、上腕、肩甲骨周囲の腕を体幹に支えている筋肉全てに打っていきます。
患者様は上腕の運動をして治すどころか、痛みで腕を動かすことが出来ません。
まず鍼を刺入すると筋繊維がバリバリといって音を立てます。硬く筋肉が萎縮して更に炎症を持っているからです。一鍼ずつ心を込めて丁寧に鍼を打っていきます。
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柔らかい響きが的確に患部に伝わるので、回復していくことを実感していただけます。
鍼を刺入される毎に痛みを抑制する心地よい響きが広がり、筋肉が和らいでいきます。
強い筋萎縮や炎症部位に鍼を刺入するのには高度な技術が必要です。
鍼を刺すと周囲に響きが起こります。その響きを痛みを抑制する響きに変えていく。すなわち鍼を刺されることによって痛みが緩和されるような響きを何度も繰り返します。
そして腕を体幹に支えている上肢帯筋群の筋緊張を取り除いていきます。

元から90度以上、上がるケースなら2ヶ月以内にほとんど改善しますが、上腕が90度以上挙上出来ない場合は、治療期間を出来るだけ短くするために、炎症・萎縮を和らげ肩関節が90度以上上がることをあらゆる角度から考え、挙上出来るようにします。

このようにして、根本的に筋肉の収縮を改善し、関節の可動域を元通りに改善していきます。

さらに、肩だけの対処的な治療でなく身体全体の歪みを直してゆきます。

肩の痛い部分に対処的に処置するので無く、身体全体の歪みを矯正します。身体全体の歪みが、部分の痛みや運動制限を引き起こすからです。
身体の歪みの原因というのは、たとえば左肩が上がらないケースで、右腰の筋肉の緊張を和らげ、骨盤の歪みを矯正しただけで、左肩が即上がったケースを何度も目の当たりにしました。 これは腰の緊張や土台となる骨盤の歪みが影響して、肩関節の異常を引き起こしたからです。 さらに土台となる地面に最初につく足関節の矯正を行い、骨盤、脊柱と全身の矯正を行い、身体のバランスを整えていきます。自然なバランス・調和が何より大切なのです。

肩が90度で拘縮してしまった方へ

90度で固まってしまった場合、90度以上に自分であげることはなかなか困難です。
90度以上に上げることで、回復期間がはるかに短縮されます。導通鍼と鍼治療を合わせて、まずは90度以上に上がるように治療を施しましょう。

90度以上にあがるようになれば、毎日家庭でリハビリを行うことで、少しずつ上がっていくものです。

五十肩(四十肩)の来院の目安

  • 長期にわたり大変な苦痛を伴う疾患ですが、あまりこじらさずに数ヶ月以内に来院されますと、2ヶ月以内に必ずと言って良いほど改善します。
  • 安静時痛や眠れないくらいの夜間痛でも、薬も注射もなしで、おおむね4~5回で軽減しています。
  • 6ヶ月以上の慢性的な痛みやひどい挙上制限がある方でも、だいたい、週1~2回の治療で2ヶ月も治療すれば、痛みはほとんど消失し、4~6ヶ月以内に挙上制限も大きく改善しています。
  • 痛みの度合いや病態により異なりますが、現在では、ほとんど私の予測した一定期間内に痛みを取り、根本的な改善が出来るようになりました。

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※効果や感じ方は人によって異なります

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