患者様の病態分析

2017年11月30日

[頸椎ヘルニア] 女性

[五十肩]肩関節がかたまってしまって、上腕が自力でも他力でも90度以上挙がらない

初診

初診 2018年3月12日
49歳 女性 

主訴

肩関節がかたまってしまって、上腕が自力でも他力でも90度以上挙がらない

診断名

  • 五十肩(肩関節拘縮)

随伴症状

  • 首・肩の凝り
  • 腰痛
  • 気分が鬱状態

現病歴

617036左上腕を肩より上に挙げることができません。肩の関節が固まったようになって、肩を水平より上、すなわち90度より上に挙げることができません。台所の仕事でも高いところが届かないので、とても困っています。服を着たり脱いだりするのも大変です。
 
2017年6月くらいから上腕が痛み、整骨院に毎日通いました。11月からは整形外科にも行っていたのに、最初は痛みがあっても真っ直ぐ上に挙がっていた上腕が、150度になり、130度になり、90度以上、挙がらなくなってしまいました。左上腕の挙上が90度までになってからは通院していても、段々悪くなるばかりで、いくら頑張って挙げようとしても、関節がかたまった感じで、全く動かなくなりました。以後、90度以上挙げる事が一度もできなくなりました。整骨院や整形外科に通っていたのに、このような状態になってしまい、残念です。

最近では、整形外科に幾度に手術をすすめられます。医師からだけではなく、リハビリの度に理学療法士の先生にも手術をすすめられ、精神的にも参ってしまいました。医師には手術をした方が良いといわれ、結局大きい病院の紹介状を渡されました。

しかし手術はしたくないので、病院に行く度に言われるので憂鬱になり、病院に行くのが嫌になりました。ネットで必死に探して、五十肩に詳しい病院を調べました。そして当院のホームページに行き当たりました。とても詳しく五十肩の事が紹介され、分かりやすくかかれてありました。また経験も豊富で、多くの症例が記載されていました。藁を掴む思いで、来院いたしました。

最近腰も重だるくなっています。整形外科では痛み止めと胃薬を処方されていますが、効果はありません。10年ほど前から母の看病で疲れ、心身共に疲れ気味です。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
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  • 左肩 外転挙上自動で80度、他動でもそれ以上挙上することができない。左肩の肩関節の完全拘縮を引き起こしている。

~下記の筋肉に筋緊張を認める~

  • 上肢帯筋(三角筋、棘上筋、棘下筋)、大胸筋、小胸筋、菱形筋、僧帽筋、頸部筋群、腰部筋群、臀部筋群、脊柱起立筋

中医学による病態の把握
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    ~舌診~

  • 舌体 老舌
  • 舌色、紅舌
  • 舌苔、薄白膩苔、水っぽい
  • 舌下静脈の怒張あり体内の血流が低下し、水分代謝が慢性的に悪化していることを示す
  • tongue out

    ~脈診~

  • 毎分、66  滑脈
  • ~臓腑弁証~

  • 肝欝気滞
  • ~気血津液弁証~

  • 気滞証
  • 痰湿証
  • 瘀血証

方解

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~全身の体質~

a0259fa42fc798e1d039724c42ca3c4a_m全身の体質としては、瘀血証であり、湿証である。全身の血流と水分代謝が慢性的に悪化している。更に気分が抑鬱され、気の流れも低下している。このような体質の時は免疫力や自然回復力が低下している。すなわち、病気に対して抵抗する力が弱っているので、病気の進行を妨げる力が不足し、病気の進行を許してしまう結果となりがちである。

~五十肩について~

五十肩はエネルギーを持っている。五十肩のエネルギーは求心的に働き、しかも台風のように一定期間停滞する。

一般的に4ヶ月毎に急性期、慢性期、回復期があり、一年間ぐらい症状が続く。エネルギーの強さは、人それぞれ違う。

~関節拘縮を引き起こすのは、急性期の初期の期間に起こる~

関節拘縮を起こすのは、この急性期の期間である。一般に急性期は4ヶ月であるが、6~8ヶ月くらい続くことがある。エネルギーは求心的に働き、筋肉が萎縮し、放置しておくと関節が完全にかたまる。上腕を90度以上挙げられない完全拘縮を引き起こす。これまで頻度はそう高くなかった。

~関節拘縮が始まる期間が早くなっており、頻度も増している~

近年は確実に頻度が増しており、かつ拘縮が早まる傾向にあり、早い人では2ヶ月で拘縮する。1ヶ月で拘縮を起こしそうになった例にも、私は最近遭遇した。

~関節拘縮を防ぐ方法は、全身運動と体質改善。上腕を動かす事~

junbiundou_kata関節拘縮を防ぐためには、五十肩の求心性萎縮のエネルギーを弱体化させる必要がある。その方法で最も良いのは、肩を動かす事である。上腕を動かせば動かすほど、求心性萎縮のエネルギーは消耗する。逆に動かさなければエネルギーを弱体化できないのである。台風のように、人によってエネルギーの強さが違う。

この急性期はとても大切である。予後が良くなるかどうか決定される時期である。この時期に積極的に筋肉を鍼灸治療やマッサージ、物療でゆるめ、尚且つ関節を運動させる必要がある。

多くの患者様はこのことを知らないので、拘縮を引き起こしてしまうのである。専門家が診れば分かる事であり、患者様によく説明して、事態を正しく認識させることが大切である。適切な治療とアドバイスが何より必要である。

~拘縮を起こすと大変です~

一旦拘縮をすると、何をしてもなかなか挙がらず、少なくとも半年~1年の期間は改善されない。日常生活にも大きな負担となる。拘縮してくる人があまりにも多いのは残念だ。

治療方針

~五十肩について~

五十肩は、日々の生活の中で何ら原因がないのに突然のように発症し、激しい痛みで始まり、2週間ほどで痛みが緩和されると、上腕の運動障害が起こる。男女の区別はなく、X線上では何ら異常はない。四十代、五十代に多く発症するので、四十肩、五十肩と言われている。

~五十肩の治癒期間は個々の体質によって、一人一人異なる~

syokuji_tabesugi_woman五十肩は、外傷や打ち身など特定の原因があって起こる運動疾患ではないので、どれくらいで治るという治癒期間が定めにくい。個人によって大きく異なるからだ。何故一人一人治癒期間が異なるのかというと、個々の体質によるものが大きいからである。身体の歪みや新陳代謝の悪化が大きく影響する。日常の食生活や、姿勢、動作、呼吸やストレスなどあらゆるものが影響している。

~どんな酷い五十肩も自然回復する~

しかし、一般的に五十肩は急性期、慢性期、回復期とあり、1年くらいで自然回復する。内臓の働きや新陳代謝が改善し、筋肉や関節の働きとのバランスがとれれば、自然に回復する。

~五十肩になった意味を考える事が大切~

五十肩を治す時、なぜ五十肩になったか、その意味を考える事が大切である。日常生活の中で、食生活や姿勢・動作などを色々なことを見直せということである。身体が全身的な障害である何かを改善しようとして部分に症状を表してくれているのである。

~五十肩と手術について~

症状は教えである。身体の訴えである。手術をして治せば良いというものではない。何故ならば身体自身が行なっている自然回復力を無視して、またそれに反した処置を行えば、必ずどこかでしっぺ返しが別の病気として現れる。

~体質改善を行って、患者様と共に治す~

14ecea81af4a7644d63b31f8cc73a8b7_s当院では五十肩を機会に根本的な体質改善を患者様にお勧めしている。食事や運動を始めとして、生活全てを見直し、患者様にも積極的に参加をして戴いて、一緒に治す事にしている。身体自身が内側から発する声を、しっかりと聞きましょう。

~全身的な視点から診た鍼灸治療~
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まず全身的な体質の改善を行う。瘀血及び湿証の改善である。
そして、気の流れを整える。

以下の経穴を配穴する
合谷・太衝・内関
三陰交・足三里・豊隆・陰陵泉

~五十肩の対処療法~
現代医学的病態の把握による筋群を、
全身的にひとつひとつ丁寧にゆるめていく

~運動療法~

家庭でも日夜、意識して運動療法を行う

  • 筋肉を伸ばすのは30秒、腱をのばすのは1分以上、持続したストレッチを行う
  • 全身的な運動を行う(ウォーキングなど)
  • 簡単なリズム運動を行う(縄を使わない縄跳びなど)
  • 手足を振動させるように動かす
  • 深い呼吸をする(意識して行う)

治療経過

患者様のお声をそのまま記します

第1回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
朝まで一度も目が覚めず、久しぶりにぐっすり眠れました。
体調の変化はありますか?
身体も気持ちもスッキリしています。

第2回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
全体の凝りが少しやわらいだように思います。ぐっすり眠れるようになったので、これまでに比べ、とても楽です。
体調の変化はありますか?
朝起きた時、こわばりが減っていました。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
身体全体の凝りをとってほしいです。

第3回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
肩は昨日来なくても、楽になりました。
体調の変化はありますか?
朝、身体が痛くないので気持ちよく起きられます。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
前回と同様で、おまかせします。

第4回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
大きな変化ではないのですが、リュックやかばんを肩にかけると痛みがあったのですが、なくなってきていると思います。腰は重だるい感じ。
体調の変化はありますか?
身体の凝りが楽になったせいか、動きやすい。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
前回と同じでお願いします。

第5回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
左肩と腕の付け根の前側に痛みがある。
腰はまだ痛みと言うより、重くだるい感じ。
体調の変化はありますか?
肩全体のはっている感じは減ってきたので、楽です。腕を顔に近づける運動がちょっとかたくでやりにくいです。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
前回と同じでお願いします。

第6回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
肩:楽になってきたように思います。
腰:痛みと言うより重くてだるい感じがあります。
体調の変化はありますか?
少しずつ楽になっている気がします。
首回りが楽になったと思います。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
前回と同じでお願いします。

第7回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
肩:痛みはほとんどないです。寝返りして左肩が下になっても、強い痛みはないです。
腰:だるい感じがまだあります。
体調の変化はありますか?
家族や友人に明るくなったと言われます。自分でも元気になったと思います。最近笑えるようになりました。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
前回と同様でお願いします。
~治療経過~
左上腕の挙上が90度をわずかに越して、100度になった。横向きに寝て手を挙げると、眉毛の上まで挙がるようになった。まだまだこれからエネルギーがいるが、ご本人が大変明るくなった事が何より嬉しい。友人や家族からもそのように言われるそうだ。

[顎関節症]九州より来院された、7,8年来の顎関節症の患者様

初診

初診  2018年 3月 30日
35歳 女性 

主訴

顎関節症

診断名

  • 顎関節症

随伴症状

  • 食い縛り
  • 首・肩の凝り
  • 腰痛

現病歴

kyousei_00537,8年前から口を開けると顎の関節がガクガクと音がなります。それから、左の奥歯が痛むようになりました。口を開けると、耳の周辺も痛い気がしました。歯が痛かったので歯科医に行きました。歯科医では歯の病気ではなく、顎関節症だと言われました。そして矯正歯科に行くことを勧められました。

その後、矯正歯科を訪ねました。矯正歯科を受診したら、顎関節症が酷いと言われ、このままだと何年か後には、口が開かなくなると診断されました。そして、5,6年通わなければ治らないと言われました。お金も時間もかかると言われ、諦めました。

その後、県立病院の口腔外科を受診しました。レントゲンを撮っていただきましたが、それほど悪くないと言われました。レントゲン結果は異常なしでした。顎関節症だけど、日常生活には支障が出るものでは無いと言われ、特に処置はありませんでした。

どうしようもなく、最後に別の歯科医を訪ねてみました。口を開けた時に、左の顎関節の反応が遅くなっていると言われました。そして、再発を防ぐ事はできるが、これ以上悪くならないように、ナイトガード(マウスピース)を作るしか方法は無く、完治する事は難しいと言われました。毎日装着して眠るように言われました。1年くらいでナイトガードを噛みきってしまいました。食い縛りのクセがあるのだと思います。ナイトガードを1週間つけ忘れた時に、口を開ける度に顎が痛くて、噛むのが辛くなりました。

今は少し落ち着きましたが、大きく口を開けると、左顎が痛く、かたいものは食べても痛みます。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
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下記の筋肉に強い筋緊張・萎縮を認める

  • 咀嚼筋(咬筋、側頭筋、外側内側翼突筋)
  • 肩背筋群(僧帽筋、菱形筋、上肢帯筋)
  • 頸部筋群(斜角筋群、胸鎖乳突筋、板状筋、後頭下筋、脊柱起立筋)
  • 腰部筋群(脊柱起立筋、腰方形筋、腹斜筋、腹横筋)
  • 臀筋群(大臀筋、中殿筋、梨状筋)

精神状態

  • 心配性、緊張症、真面目

中医学による病態の把握
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    ~舌診~

  • 舌体 老舌、少し締まっている 裂紋あり
  • 舌色、紅舌
  • 舌苔、薄白苔、水っぽい
  • 舌下静脈の怒張あり(体内の血流が慢性的に低下していることを示す。)
  • tongue out

    ~脈診~

  • 毎分、 60 滑脈
  • 舌脈診から分かること

    体内の血流が悪く、水分代謝が低下している。気を遣いすぎて、舌につく歯形より気虚がみられるが、脈は実であり、気滞の方が強い。気滞や気虚による血瘀、水分代謝障害がみられる。

    ~気血津液弁証~

  • 気滞証
    気の流れの停滞により、推動力が低下し、血液と体内水分の流れが悪くなり、それらの停滞を引き起こしている。
  • 気虚証
    気を遣いすぎによる気虚証がみられる。また、気滞が長く続いたための気虚証とも言える。
  • 水湿証
    薄白苔だが、水分がやや多い。水分の代謝が不足している。
  • 瘀血証
    身体内の血液の流れが悪化し、慢性化していると判断する。

方解

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心配性、緊張症、気を遣いすぎの性格で、首や肩がガチガチに凝っている。腰部筋群も同様である。下半身の力が弱く、上半身に力がこもっている。その結果、全身の血液の流れが低下し、水分代謝が不足している。緊張症のため、夜寝る時も全身が緊張したまま眠っている。そのために食い縛りが起こる。それをくり返しているために、咀嚼筋が慢性的に緊張・萎縮をしている。顎関節の動きが悪く、左が遅れている。対処的な療法ばかりで、効果的な治療が何一つなされていない。全身の疲労をとれば、精神的なリラックス、力を抜く練習すれば、改善されたことである。

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マウスピースは噛みしめをやわらげるためのものであって、消極的で、待ちの治療である。精神疲労や肉体疲労を伴う、強い筋緊張を改善させることはできない。

鍼灸治療では、精神疲労や肉体疲労を取り除く事を一番大切にしている。

精神疲労や肉体疲労を取り除くことによって、初めて咀嚼筋は緩む条件を備える。更に鍼灸治療は直接咀嚼筋を緩めることができるのである。顎関節の治療には、鍼灸治療が有効であり、顎関節症でお困りの方にお勧めする次第である。

今回の病態を見て感じたことは、効果的な方法が何一つ行われなかったために、8年も同じ病態をくり返してしまっただけで、決して重症な顎関節症ではない。適切な治療を行えば、10回程度、またほんの数ヵ月で改善する程度の病態である。

治療方針

~全身的な視点から診た鍼灸治療~
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コンディションを改善して、免疫力を高めるために、全身の血流を良くする、水分代謝が促進する、気の流れを促進しストレスを解消する経穴をまず配穴する
全身の血流を良くするツボ
合谷・太衝・内関→全身の気血の流れを改善し、精神的ストレスを緩和させる
足三里・三陰交→全身の気血及び水分代謝を促進する

現代医学的な病態把握で示した筋肉の緊張・萎縮を一鍼一鍼、心を込めて丁寧に通して、改善させる。

治療経過

患者様のお声をそのまま記します

第1回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
食べ物を食べる時に大きく口を開けると、左の奥歯の辺りと顎の痛みがあります。顎を手で触ると痛いです。首と腰の痛みが強いですが、腰はそれほど痛くはありません。
体調の変化はありますか?
金~日曜日にかけて、腰がすごく痛かったです。金曜日の治療が終わった後、食事をした後に顎がすごく痛みだし、赤くなって少し腫れ、手で触ると痛かったです。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
顎、腰、首が痛いです。

第2回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
顎のところを触ると、少し痛かったが、よくなりました。普通に噛めるようになりました。口を開けても、あまり痛みはありませんでした。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
顎と首の痛み、腰

第3回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
顎の痛みが全く消えました。しかし、帰郷して数日後また少し痛み出しました。1週間ほど休みをとって治療に伺いたいのですが、いつ頃がいいですか?
~院長の一言~
連休までに3,4日休みをとって治療し、少しおいて、5月の連休を利用して治療しましょうか。続けて1週間より効果が高いと思います。自然回復の期間が必要だからです。治療回数は、完治には全部で10回くらい必要だとみています。

[五十肩]腕が上に挙がらないので困っています。

初診

2018年3月12日  
49歳 女性

現病歴

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左肩は、通常の痛みはおさまってきたのですが、腕が上に挙がらないので困っています。肩が固まってしまったのか、肩を水平より、すなわち90度よりやや下、それ以上挙げることができません。 

2017年6月くらいに整骨院、11月から整形外科に言っていたのに、こんなになってしまいました。整形外科では手術をすすめられ、大きい病院の紹介状も書いてもらいました。リハビリの度に理学療法士の方にも手術をすすめられ、精神的にも参ってしまいました。
夜は少々痛みがありますが、眠れています。

右肩は2016年夏頃、腱板損傷と五十肩と診断されました。今は腕も上がり、日常生活も困らないのですが、腕を上げるとゴリゴリという音がして、とても気持ち悪いです。

最近腰も重だるくなっています。整形外科では痛み止めと胃薬を服用しています。10年ほど前から母の看病で疲れ、少し鬱の症状が出ます。心療内科で薬をもらっています。

手術をするのが嫌でたまらなく、ネットで色々調べて当院のホームページに行き当たりました。藁を掴む思いで、来院いたしました。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
byoutai02

  • 左肩 外転挙上自動で80度、他動でもそれ以上挙上することができない。完全拘縮を引き起こしている。
    下記の筋肉に筋緊張を認める
  • 上肢帯筋、三角筋、棘上筋、棘下筋、大胸筋、小胸筋、菱形筋、僧帽筋、頸部筋群、腰部筋群、脊柱起立筋

中医学による病態の把握
byoutai04

    ~舌診~

  • 舌体
  • 紅舌
  • 舌苔、厚膩苔で色は黄色。痰濁内停(これは、水分の代謝が悪くなり、体内に水分が長く留まり、古くなって体内水分が粘り、汚れて熱せられていることを示す)。
  • 舌下静脈の怒張、著明(脈絡が網目状になっており怒張がある。このことは、体内の血流が慢性的に非常に悪化していることを示す。
  • tongue out

    ~脈診~

  • 毎分、 脈
  • ~気血津液弁証~

  • 気滞証
    気の流れの停滞により、推動力が低下し、血液と体内水分の流れが悪くなり、それらの停滞を引き起こしている。
  • 痰湿証
    苔は舌全体に厚く広がり、黄色く粘っこくなっている。
    このことより、身体内の水分代謝が悪化し、慢性化して長期にわたり、身体内の水分は汚れて粘り熱せられ、重度の水分代謝障害があると判断する。
  • 瘀血証
    身体内の血液の流れが悪化し、慢性化していると判断する。

方解

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瘀血証であり、湿証である。全身の血流と水分代謝が慢性的に悪化している。気の流れも低下している。五十肩のエネルギー(求心性萎縮)の強い時期に適切な治療が施されていない。
または運動療法の不足及びご自身の体質(瘀血及び水湿)により完全拘縮が引き起こされた。薬を飲んだり治療に行っていれば良いというわけではない。
五十肩のエネルギーに合わせて、一人一人治療方法が異なる。エネルギーが強い人は通院頻度を高め、筋緊張の改善、運動療法を沢山行なって、五十肩のエネルギーに対抗しなければならない。
動かすことで五十肩のエネルギーを弱体化することができるからだ。同時に体質改善も必要である。
瘀血証や水湿症の人は筋肉や関節の動きが固まりやすく、改善しにくいのである。食事療法や運動療法をきちんと指導する必要がある。
これらが全て適切に行われないと、エネルギーの強い人は拘縮を引き起こしてしまう。治療はこの逆をやっていけばいいのだが、拘縮してくる人があまりにも多いのは残念だ。

鍼治療により、全身の血流改善を行います。更に水分代謝を促進します。気の流れをスムースにして、五臓六腑の働きを高め、自然回復力を高めます。全身を巡る気・血・水の流れを良くすることで、局所の痛みである上腕部の改善を促進させます。緊張、萎縮した筋肉をひとつひとつ丁寧にほぐして行きます。全身の気・血・水の流れを改善するツボは以下の通りです。

合谷・太衝:気血の流れを改善
足三里・豊隆・三陰交:水分代謝を促進

ストレスを緩和し、全身の気・血・水の流れを改善し、自然回復力を高めることが部分である痛み、すなわち五十肩という症状を治す決め手なのです。

[五十肩]腕の使いすぎによる左上腕の痛みを訴えて来院したが、実際は五十肩であった

初診

2018年1月30日
67歳女性

主訴

腕の使いすぎによる左上腕の痛み

診断名

  • 五十肩

随伴症状

  • 首・肩の凝り
  • 足がむくむ
  • 15年来の花粉症(2,3,4,5,6月)

現病歴

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昨年の8月頃、ジムに通っていて腕を強くするマシーンをやりすぎて、その後からずっと左腕が痛みます。
寝ていて上布団を動かす動作から、物を拾う動作など、日常のあらゆる動作で痛みが出ます。

整形外科を受診し、X線では異常なしで、どこも悪くないと言われました。肩にヒアルロン酸をうってもらい、痛み止めももらいました。
どこも悪くないと言われたので、いつか治ると思って我慢していました。しかし痛みは一向に治まらず、同じ痛みがずっと続きました。
それでも、昨年末頃より少し楽になったように感じたので、今年に入って運動を始めました。
歩きながら腕を振るなどして、30分以上歩きました。運動を始めたら、また強い痛みが出て、だんだん酷くなりました。

利き手なので何をしても痛く、不便です。
食事は肉、魚、油ものがやや多く、量もしっかり食べています。
水分は1日を通して紅茶、コーヒー、お茶を良く飲みます。
これ以上悪くなったら日常生活にも大きく支障が出るし、治らなくなるのではないかと思い、エキテンで見て、また当院で良くなった友人にも勧められたので、1月30日来院しました。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
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  • 左上腕垂直外転【手を前に出して上に挙げる】(130度) 左肩関節の運動障害を認める
  • 左上腕水平外転【手を床に水平に出して上に挙げる】(90度) 左肩関節の関節拘縮をみとめる
    触診により、押圧すると下記の筋肉に圧痛あり
  • 三角筋、前・中・後側繊維、上腕二頭筋上三分の一、棘上筋、棘下筋及び上腕骨後側の大結節に強い圧痛

中医学による病態の把握
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    ~舌診~

  • 舌体 胖大舌
  • 舌色、紅舌やや暗
  • 舌苔、苔なし
  • 舌下静脈の怒張、軽度(全身のいずれかの部位で血液の渋滞がある。
  • tongue out

    胖大舌、苔なしは、脾気が低下し、水分代謝及び引き締める力が低下していることを示している。

    ~脈診~

  • 毎分60、 脈 滑
  • ~臓腑弁証~

  • 脾気のやや低下がみられる
  • ~気血津液弁証~

  • 湿証
    脾気虚で、体内水分の代謝が低下し、体内水分が停留し、湿気が多い身体になっている。
  • 瘀血証
    身体内の一部で血液の流れが悪化している。

方解

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ジムで筋肉を傷めたが、自然に治ると思っていたが、なかなか治らず長期化した。その期間、腕を動かさなくなったことも相まって、単なる筋肉障害をきっかけに五十肩を引き起こした。今年に入って運動をしようとしたときに激痛が走ったのは、負傷した筋肉痛のためではなく、五十肩のためである。

五十肩のなりたちは、整形外科的には不明であり、原因は明らかにされていない。五十代に多く、男女の区別はなく、腕を動かすときに激しい痛みが、ある日突然のように起こることから始まる。

2週間ほど激しい痛みが続いた後、痛みは軽減するが、肩関節の運動障害を引き起こす。髪をといたり、背中の後ろに手を回す、服を着る動作などがしづらくなる。急性期、慢性期、回復期が各4ヶ月続き、1年位で自然に治っていくのが通常である。

慢性期になっても急性期のような激しい痛みが続く場合もある。中には、急性期の1~4ヶ月以内で関節拘縮を起こす例も近年増えている。

~東洋医学的の視点からみた五十肩~
東洋医学の視点からみると、なぜ五十肩になるのかは、きちんと原因を説明できる。何故ならば、因果応報で原因のない結果はないのである。身体の一部分は、常に身体の全体の健康状態の影響を受けている。五十代前後になれば、身体の変調を来す人が多い。運動能力及び食欲、排出力の低下などである。持久力がなくなったり、筋力の低下なども引き起こす。怪我や病気をしても回復力が若いときにようにいかないと感じる事が多くなる。これらは、身体の新陳代謝の低下及び姿勢(身体の歪み)などが主な原因となって、筋肉が硬化し、神経圧迫や血流低下を引き起こすためである。手を動かすという動作は、肩関節の役割であり、働きと思っているかもしれないが、関節は筋肉の状態や全身の血流状態の影響を常に受けているのである。これらを全身の新陳代謝の低下と考えれば、それらの影響が身体の一部に現われても不思議ではない。

病気の原因は一人一人異なるが、その人の一番弱い部分に症状として現れるものである。全身の新陳代謝の低下が、腕を動かす筋肉の痛みや運動障害に繋がることもありえることで、何ら難しい予想ではない。(足のむくみや冷え症などの症状として現れるかもしれないが、現れ方の違いだけである。)

それが証拠に五十肩はある日突然発症し、平均、約1年続き、酷い場合は8ヶ月くらいまで激しい痛みが持続し、運動障害も酷くなり、期間が経つほど、ある時期までだんだんと症状が悪化するのである。怪我や外傷であれば、期間がたてば大抵どんな疾患も手当をすれば自然回復力が鼓舞され、期間が長くなるにつれて、だんだん良くなっていくものである。しかし、五十肩はエネルギーを持っている台風のようなものである。身体全体の健康状態の影響を受け続ける。痛みや運動障害の程度は一人一人異なり、軽症のものから重症のものまであり、治る期間も2ヶ月程度から最長3年と様々である。

東洋医学では、部分の障害とは考えずに、身体全体の状態が肩関節という場所に症状をもたらしたものと考えている。なので、五臓六腑や気・血・津液(生理的水分)の調整をし、身体全体の生理バランスを整え、代謝障害や血流を改善し、自然回復力を高めていく事をまず第一に、局所の治療と並行して行うのである。かといって、局所をないがしろにするという意味では全く異なる。局所の痛みが酷い場合は、導通鍼を行い、脳内よりβインドルフィン(モルヒネ様物質)を誘導し、痛みを急速に和らげる治療を施す。痛みを緩和させるだけではなく、上腕の運動療法を行い、運動障害も改善させる手立てを施す。

さて、新陳代謝の低下は老化現象でも現れるが、老化というのは一部の原因であり、代謝障害を引き起こす原因の多くは日常生活の中にある。食事や運動、環境、ストレスなどの精神状態の影響を大きく受けている。それらが現在の貴方の身体に合っていませんよという警告であり、教えである。ですから食事や運動、環境、精神状態を含めて考え直す良い機会なのである。
この症例では、
肉や魚、油ものが多いことと、水分の摂取が多い事が脾気を弱めている。脾は筋肉を養い、水分代謝等を行う主な臓である。そのため筋肉の弾力や瞬発力、持久力がだんだんと弱くなってきたと考えられる。全身の水分の代謝障害は、体内に水分が長くとどまるという事である。同じ水分が長くとどまると、ため池のようになり、体内水分は綺麗ではなくなる。
汚れた水分が筋肉や関節の中に、長くとどまると、筋肉は沼のようになり、血流や老廃物の代謝が障害される。関節を動かしているのは筋肉である。筋肉に障害が起これば、関節の動きにも障害が起こるのは、容易に想像できることである。

治療方針

~全身的な視点から診た鍼灸治療~
byoutai03

初診時の問診では、上腕の筋肉が痛いが、腕は挙がると言う事で、ご自身で挙げてくれた角度は、垂直外転130度であった。次診時、水平外転を試みたところ、自動では90度以上挙がらず、他動でも変化はなく、それ以上挙がらなかった。左肩関節の関節拘縮寸前の所であった。
ここで五十肩であることがはっきりと確定した。


このように改善の難しいこの疾患に対しては、中医学弁証により証をたて、証に基づいて全身的な総合的な病態に対して治療を施す必要がある。
そうして悪化した体質改善をはかり、ご本人の生まれながらにして持つ自然回復力を最大限に引き出すことが何より大切なことである。

治療経過

患者様のお声をそのまま記します

第2回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
大分痛みがとれて、シャンプーをするのが楽になりました。
体調の変化はありますか?
肩も少し楽になりました。

第3回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
痛みが減ってきて、色々しやくなってきました。また、少し後ろの方へ手がいくようになりました。

第4回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
日々少しずつ痛みが軽くなっています。
体調の変化はありますか?
肩の凝りがとれてきたのか、頭が軽いです。

第5回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
少しずつ楽になっています。

第7回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
かなりよくなりました。日常生活がかなり楽です

私見

bensyou
初診時は筋肉障害が長かったため、強い緊張を引き起こしただけだと思ったが、次診の触診と望診で、水平外転90度で肩関節の拘縮を起こしている事を発見した。

[頸椎症の疑い]首の向きを変えると、左上腕から肘及び前腕の筋群に激しい痛みが起こる

初診

初診  2018年 1月22日
55歳  男性

主訴

首の向きを変えると、左上腕から肘及び前腕の筋群に激しい痛みが起こる

診断名

  • 胸郭出口症候群(頸椎症の疑いあり)

随伴症状

  • 首、肩、背中の凝り

現病歴

neck
本年1月11日、新年会の後、首、肩、左腕に少し違和感がありました。翌日より、本格的な違和感が起こり、首を動かしたり、首の向きを変えたりするだけで、首から左上腕、肘、前腕筋群に鋭い痛みが走るようになりました。 

 車の運転にとても支障が出ています。首を動かすと、腕まで痛みが走るので、頸椎カラーで固定しています。固定すると、少し楽です。日常生活で首の向きを変えることで、激しい痛みが起こり、仰向けに寝ると、枕を高くしないと痛みで眠ることが出来ません。横向きになって頭を前に倒して、丸くなって寝ると、痛みは起こりません。

 放っておくと治るかなと思い、1週間程我慢しましたが、痛みがだんだん酷くなり、これはいけないと思い、1月22日(月)、当院に来院いたしました。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
byoutai02

~徒手検査~

  • 左回旋痛→運動障害あり(30度)、痛み増強
  • 左側屈痛→運動障害あり(30度)、痛み増強
  • 右回旋痛→痛みがあるが軽度
  • 右側屈痛→運動障害軽度あり、痛み増強 
  • 後屈痛→後屈すると、一番激しく痛みが増強 
  • 前屈痛→痛みが増強 
  • スパーリングテスト(陽性):左へ側屈軽度行なっただけで、激しい痛みが左上腕から前腕まで走る
  • ライトテスト(陽性):左脈が消失する  
  • 仰臥位で寝ると、頭を高くしないと激しい痛みが起こる 
  • 側臥位で首を前に倒して丸めて寝ると、痛みは起こらない。
  • 腹臥位で寝ると、すぐに痛みが起こり、5分以上は維持出来ない。
  • 下記の筋群に著しい筋緊張が認められます。
    • 左頸部筋群
    • 肩の上の僧帽筋の盛り上がり
    • 左頸部より肩甲骨の外上角
    • 左菱形筋群
  • 指先のしびれはなく、握力の低下もありませんが、首の向きを変えることで痛みが起こり、その痛みが急激で、とても激しいので、日常生活がかなり制限されている。

既往歴として、以下の疾病がある。

 前年度、平成29年4月に右肩に五十肩を発症した。9月より、五十肩に胸郭出口症候群を発症し、激しい痛みとしびれがあったが、12月の末には痛みもしびれも、完治していた。快復力は良い方だが、昨年に続き、まもなく今度は左腕に痛みが発症している。首、肩に著しい筋緊張も認められる。

中医学による病態の把握
byoutai04

    ~舌診~

  • 舌体 動きは正常
  • 舌色、紅舌 やや暗 熱証であり、血流の低下を想定できる。
  • 舌苔、薄白苔、やや膩(水分の代謝がやや悪く、少し湿気がある)
  • 舌下静脈の怒張、軽度あり(身体内のいずれかで血流の低下や悪化があることが分かる)
  • tongue out

    ~脈診~

  • 毎分、 脈
  • ~気血津液弁証~

  • 痰湿証
    身体内は水分代謝がやや悪化し、少し湿気気味である。
  • 瘀血証
    身体内の一部の血液の流れがやや悪化し、慢性化していると判断する。

方解

byoutai09

昨年も五十肩と胸郭出口症候群を引き起こした。回復力がはやく6ヶ月程の短期間でいずれも改善され、痛みを感じなくなった。

今年に入り、別の箇所に痛みを感じ来院された。前回は右腕の痛みとしびれであったが、今回は左腕、左肘の疼痛である。

原因は、頸部及び胸郭の筋群の緊張による神経圧迫と思われる。

筋肉による神経圧迫により、腕や手に痛みやしびれが走る胸郭出口症候群なら改善が早く見込めるのだが、徒手検査で、首の運動痛やスパーリングテストが陽性になり、痛みが激しく、ちょっとした首の角度で、痛みが増強することから頸椎症の疑いもある。

治療方針

~全身的な視点から診た鍼灸治療~
byoutai03

頸椎症の疑いがある。

頸椎症からくる神経痛は、改善までの期間が長くかかり、かつ再発しやすい、治療は定期的に行い、頸部や肩背部、胸郭の筋群の緊張を取り除き、神経圧迫による神経の炎症による痛みや痺れを引き起こさないように日常からコンディションを整える必要がある。

治療としては、頸部及び胸郭、肩背部、腰部から頸椎までの脊柱全体を一つのものととらえて、全身に鍼灸治療で凝り固まった筋肉をほぐし、血流の改善を促し、筋肉の緊張による神経圧迫を取りのぞいていく。

神経を維持するための栄養も血液である。鍼灸治療で筋肉の深部まで血流が良くなることが、神経の興奮や炎症を鎮めることに繋がる。

また頸椎症の確認のため、レントゲンを撮る必要があり、提携先の整形外科に紹介状を書いた。

治療経過

患者様のお声をそのまま記します

第4回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
背中の凝りや痛みは改善されてきたが、頸椎の角度や動きで、激しい痛みが走る。頸椎のコルセットをしていると、少し楽である。

第9回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
70%~80%、痛みが治りました。
体調の変化はありますか?
首や肩の凝りが、よ程改善されました。

第10回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
大分良くなりました。痛くない時もあります。

第11回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
ほとんど痛みはなくなりました。ありがとうございました。あんなに痛かったのに、あの痛みは噓のようです。
~院長の一言~
ゴールは目前ですね。今日は再発しないための治療を行います。

第12回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
痛みはもう全然ありません。
体調の変化はありますか?
ありません。
本日一番取りくんでほしい治療は何ですか?
肩こりを治してください。
~院長の一言~
これで今回の治療を終了いたします。筋肉の深部までほどよく緩んだので、神経の圧迫が取り除かれました。痛みの症状はもう出ないと思います。3週間後に、一度診せてください。これからはメンテに切り替えましょう。

私見

bensyou
昨年より体調を崩し気味であり、新陳代謝や血流の低下、また筋肉の弾力や柔軟性が低下し、身体の疲労の回復力が悪くなっている。
これは、年齢的なものもあり、50の後半を過ぎると、ゆるやかに筋肉の求心性萎縮が高まる。これは一つの老化現象である。

老化現象は求心性萎縮のエネルギーをもっている。
放置しておくと、求心性萎縮のエネルギーは段々と強まってゆく。

shizen散歩をするなど身体を適度に動かしたり、軽いリズム運動、ストレッチや呼吸法を行うと求心性萎縮のエネルギーを弱体化させることができる。
音楽も良し、スポーツも良し、没頭できる楽しい趣味を作ることもその一つである。
何事も適度に行い、度を過ぎないことが大切である。
毎日、5キロ、10キロと歩く人もいるが、筋力は強化されるが、疲労が蓄積されると筋肉は硬化し、逆に身体にとって不健康となる。
歩いた後は必ずふくらはぎや太股、腰や臀筋群の緊張を叩いたり、マッサージしたり、ストレッチを行なって必ず筋肉の疲労を取っておくことが大切である。
労働すれば筋肉は疲労するのである。
鍛えても筋肉は疲労するのである。
50歳後半からの健康は、鍛えることと癒すことを並行して行い、一日の疲れはケアを行なってその日のうちに取り、明日へ繋げてゆくことが大切である。

[五十肩]ズボンを上げ・下げする動作で上腕に激痛がはしる ブラウスを着る時、激しい痛みが起こる

初診

2018年3月14日  
52歳 女性

主訴

ズボンを上げ・下げする動作で上腕に激痛がはしる
ブラウスを着る時、激しい痛みが起こる

診断名

  • 五十肩(肩関節周囲炎)

随伴症状

  • 肩が重い

現病歴

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五十肩になり、1年以上が経過しています。いつか治るだろうと思って辛抱しておりましたが、ズボンを上げたり下げたりする動作で、上腕に激痛が走ります。ブラウスを着る時も、上腕が激しく痛み、かなり苦痛です。かなりストレスになっております。
朝から夜まで家事と仕事をしているので、寝るのはいつも午前2時半くらいになります。
このまま放っておいても、段々悪くなるだけで良くならないと思い、ネットで調べて当院の記事がもっともわかりやすく、たくさん書かれていたので来院いたしました。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
byoutai02

  • 三角筋の筋の萎縮(特に前側繊維)
  • 外側上腕筋間中隔の窪みが硬くなり、屈筋群と伸筋群の境がなくなっている
  • 棘上筋、棘下筋の筋緊張、萎縮 著明
  • 外転挙上130度で激しい疼痛が起こり、それ以上挙上できない。外転挙上して腕を下に戻す時、110度~80度のところで激しい疼痛が起こる(有痛弧を認める)

    有痛弧とは

    有痛弧は肩峰下を腱板が通過するときに生じる痛みであり、一般的に肩関節60~120度の間で痛みを強く感じる。これは肩甲骨が痛みを回避するために上腕骨よりやや遅れて動くためである。
    上腕を外転する課程で、上腕骨と肩峰の間に腱板の一部や肩峰下滑液包などが挟み込まれ、繰り返して刺激が加わると滑液包に浮腫や弾力低下が起こる。

  • 頸部筋群、肩背筋群の筋緊張 著明
  • 腰部筋群の筋緊張を認める

中医学による病態の把握
byoutai04

    ~舌診~

  • 舌体 老舌(ややしまっている)で少し動きが低下
  • 舌色、紅舌
  • 舌苔、膩苔で色は白いがやや煮詰まっている。痰濁内停(これは、水分の代謝が悪くなり、体内に水分が長く留まり、古くなって体内水分が粘り、汚れてやや熱せられていることを示す)。
  • 舌下静脈の怒張、著明(脈絡が網目状になっており怒張がある。このことは、体内の血流が慢性的に悪化していることを示す。)
  • tongue out

    ~脈診~

  • 毎分、60 濡脈
  • ~気血津液弁証~

  • 気滞証
    気の流れの停滞により、推動力が低下し、血液と体内水分の流れが悪くなり、それらの停滞を引き起こしている。
  • 痰湿証
    苔は厚くないがやや膩苔であり、舌はしまり、やや動きが悪く、苔が舌体内に入り込んでいる。
    それは濡れたタオルを絞ると水が出るのと同じで、古い水分が体内に停滞していることを示す。
  • 瘀血証
    身体内の血液の流れが悪化し、慢性化していると判断する。

方解

byoutai09

慢性的な痰湿及び瘀血証です。夜寝るのが遅く、傷ついた筋繊維が修復されない状態です。
成長ホルモンは20歳を過ぎれば修復ホルモンとして午後10時~午前2時までの間に分泌され、午前12時がピークになると言われています。
1年以上経過しても悪化しているのは、体質と夜寝る時間が遅いことが関係しています。

治療方針

~全身的な視点から診た鍼灸治療~
byoutai03

鍼治療により、全身の血流改善を行います。更に水分代謝を促進します。気の流れをスムースにして、五臓六腑の働きを高め、自然回復力を高めます。全身を巡る気・血・水の流れを良くすることで、局所の痛みである上腕部の改善を促進させます。緊張、萎縮した筋肉をひとつひとつ丁寧にほぐして行きます。全身の気・血・水の流れを改善するツボは以下の通りです。

合谷・太衝:気血の流れを改善
足三里・豊隆・三陰交:水分代謝を促進

ストレスを緩和し、全身の気・血・水の流れを改善し、自然回復力を高めることが部分である痛み、すなわち五十肩という症状を治す決め手なのです。

治療経過

患者様のお声をそのまま記します

第1回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
翌日、かなり痛い角度が減りました。日常動作が戻りました。
体調の変化はありますか?
肩の重い感じがやわらぎました。画期的な変化です。とても楽になりました。

[左右大腿部の疼痛]首・肩・背中・腰・臀部・太股の疼痛と強ばり

初診

2018年2月15日  
38歳 男性

主訴

首・肩・背中・腰・臀部・太股の疼痛と強ばり

診断名

  • 疲労の積み重ねにより、五臓六腑の生理機能が低下し、気・血・水の流れが悪化し、全身の慢性の筋緊張と筋疲労による疼痛と強ばりを引き起こした。
    そのため、治療しても体調が悪化するばかりで、回復しなくなった。それは、生まれながらにして持つ自然回復力が低下したためである。
  • 内臓にも影響し、胃腸機能が低下した。そのため、食欲がなくなった。

随伴症状

  • 左右大腿部の疼痛
  • 疼痛による睡眠障害

現病歴

kansetsutsuu_koshi
建築の会社の営業職を担っております。昼は外食で仕事の合間に急いで食べるため、どんぶりやパスタなどの単品や揚げ物など、脂っこい物やカロリーの高いものが多くなっています。
数日前、風邪をひいて、風邪が治った後も疲労がたまっていたので、仕事を休みました。そのあと、首・肩・背中・腰・臀部・太股が痛くなり、頭痛が起こりました。整骨院に行って治療して、首の痛みと頭痛は治ったのですが、背中と腰・臀部・両太股の痛みと強ばりが続いて、まったく回復しなくなりました。
胃痛があり、食欲が無くなり、内科に行きました。そこでは、胃腸薬と痛み止めを処方され、痛みは治まりました。しかし、夜、仰向けになって寝ると、背中や腰がすぐ痛くなって、痛みで目が覚めます。
寝返りを打たないと、眠ることができません。自分の体重がかかっている所がすべて痛く、イテテテという痛みで、この体勢は無理という感じで、身体の置き所がありません。腰の下、お尻にかけてズキッとする痛みが走り、両太股が強ばっています。

仕事はストレスも多いのですが、やり甲斐があり嫌いではありません。しかし疲労が蓄積されています。精神的にも気を遣って、疲れています。
いつもの体調とは明らかに異なり、回復しそうもない不安を感じました。母が行って良くなった鍼灸整骨院に行って、鍼灸治療を受けるしかないと思い、来院しました。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
byoutai02

以下の筋群に強力な筋緊張を認めます。

  • 頸部筋群(板状筋・頭首半棘筋・前中斜角筋・頸部脊柱起立筋・後頭下筋・胸鎖乳突筋
  • 上腕部(三角筋の萎縮・外内上腕筋間中隔の肥厚
  • 上肢帯筋(棘上筋・胸郭筋・大結節の中間・下・小面
  • 肩背部(僧帽筋・菱形筋群
  • 腰部・臀部(腰部脊柱起立筋・腰方形筋・内外腹斜筋・腹横筋・大臀筋・中臀筋・梨状筋
  • 大腿部(大腿四頭筋・腸脛靱帯・ハムストリングス
  • 下腿部(前脛骨筋・腓腹筋・ヒラメ筋・後脛骨筋・長母指屈筋

中医学による病態の把握
byoutai04

    ~舌診~

  • 舌体
  • 胖大舌(舌が大きくて分厚くなり、ややプヨプヨしている)

  • 舌色
  • 淡紅舌

  • 舌苔
  • 薄白膩苔・白い苔が舌全体に多く、やや粘っている

  • 舌下静脈の怒張、著明
    脈絡が網目状になっており怒張がある。このことは、体内の血流が慢性的に悪化していることを示す。
  • tongue out

    ~脈診~

  • 毎分66 渋脈
  • ~臓腑弁証~

  • 脾気の機能低下による食欲不振と水分の代謝障害。
  • ストレスが長期にわたって少しずつ溜まり、肝気が鬱滞している。
    そのため、全身の血流が悪化し、水分代謝も低下している。
  • ~気血津液弁証~

  • 気滞証
    気の流れの停滞により、推動力が低下し、血液と体内水分の流れが悪くなり、それらの停滞を引き起こしている。
  • 痰湿証
    苔は舌全体に薄く広がり、やや粘っこい。
    このことより、身体内の水分代謝が悪化し、慢性化して長期にわたることを示す。
  • 瘀血証
    身体内の全身の血液の流れが低下し、慢性化していると判断する。

方解

byoutai09

仕事のストレスや緊張で、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積されている。肝気が鬱滞し、全身の気・血・水の流れが停滞している。
さらに肝気の鬱滞は、脾気の生理機能に影響し、胃腸機能の低下を引き起こした。外食などが重なって、脾気がさらに低下し、胃腸痛と食欲不振をもたらした。

肝気の鬱滞により、体表面の血流が低下し、血液による筋肉の滋養ができなくなり、全身的な筋緊張を引き起こしている。
脾気の低下により、体内水分が停滞し、筋肉の深部は栄養されずに粘土状になっている。
筋肉の表面は、繊維が細くなってバリバリと硬く、深部にいくほど粘土状になっていって、気・血・水による筋肉の滋養不足を引き起こしている。五臓六腑の生理機能の低下により、自然回復力が低下し、体調不良を引き起こしているのは明らかである。

自然回復力について

自然回復力とは何か、自然界の川を例にして述べてみる。川は、水が流れる事によって、川の水が汚れる事を自然に防いでいる。自ら行う自浄作用である。
しかし、人間によって栄養価の高い汚水が大量に川に流されると、老廃物が蓄積し、水面下でガスが発生する。それがくり返されると、川の流れは低下し、水は濁る。自浄作用を上回った栄養物が流されるためである。

筋肉の強ばりや痛みがもう回復しないのではと感じたのは、腰や首・肩・臀部・太股などの部分の痛みの原因が重症だからではない。確かに、それぞれの部位は、緊張こそ強く表面の筋肉が強ばり、また深部の筋肉は水分代謝が悪く沼っているが、全身の機能の低下がみられるだけである。
器質的な障害は何も無く、病態は軽症である。
全身の血流と水分代謝を改善することが、何より大切である。鍼灸で五臓六腑の生理機能を改善させ、全身の血流と水分代謝を改善させれば、筋肉の痛みも強ばりも回復する。更に、本来の健康な身体を取り戻すことができる。単に自然回復力の低下による機能的な疾患であるからだ。

治療方針

~全身的な視点から診た鍼灸治療~
byoutai03

全身の自然回復力を高めれば、部分の機能は回復します。
なので、心身の生理機能を高めていきます。肝気の鬱滞を改善させ、疏泄機能を高め、気・血・水の巡りを良くしていきます。

肝には疏泄という働きがあります。疏泄とは、全身の気の働きや運動の仕組みを調節し、新陳代謝を促進させるということです。疏泄の疏は、流暢の意味で、サラサラとよどみが無く、スムーズに働いている様子を表しており、泄は排泄でスッキリという意味を含んでいます。すなわち、人体を構成している基本物質である気・血・水がスムーズに流れるようになるのです。
使用する経穴は、合谷・太衝・内関で、疏泄を行い、さらに足三里・陰陵泉・三陰交を用いて、気・血・水の流れや水分代謝の促進を行います。

中脘・天枢・足三里を用いて、脾気を高め胃腸の働きを改善させます。脾気が高まると、気・血・水の生成もスムーズに行われます。肝気と脾気を調整することで、自然回復力が高まり心身の疲労や筋肉の痛みや強ばりも改善されるのです。

~鍼灸の対処療法として~

対処的な鍼として、首・肩・腰・臀部・大腿部に鍼を行い、直接。筋肉の緊張や強ばりを改善させて行きます。
局所に鍼を打つことで、局所の血流も改善されます。浅部筋群より深部まで丁寧に鍼を通して痛みの改善に繋げていきます。
舌診・脈診より、本来身体が健康で丈夫な方であることが分かります。上記の治療により、局所の痛みを通して、本姓あるべき健康で丈夫な身体に戻すことが、私の鍼灸治療の使命と考えます。

~局所の痛みと全身症状との関係~

部分は、常に全体の影響を受けています。部分の痛みは、全身の状態の表れなのです。部分の状態を診て、全身の状態を改善させる事が大切です。
川の流れで説明したように、川の一部分の汚れを改善させる為には、川全体の流れの何が、どのような状況が、部分に影響を与えたかを診なければならないのです。
対処療法だけで改善されることも多いのですが、全身の状態を診ることで、部分の痛みを取るだけでなく、健康へと導くことができるのです。

治療経過

患者様のお声をそのまま記します

第1回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
痛みで目が何度も覚めていましたが、寝返りをうたなくても、朝まで眠ることができました。

第2回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
痛みの強さがマシになっています。

第3回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
全身の痛みが弱くなりました。とくに、あんなに重かった首が動くようになりました。
体調の変化はありますか?
はい。食事にとても気を付けるようになりました。少食の方が体調が良いことに気がつきました。

第4回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
夕方、背中・腰が痛かったが、それ以外は痛みはありません。
体調の変化はありますか?
昨夜はよく眠れました。胃の調子はまだよくないが、普段に近い感覚で身体が動くようになりました。

第5回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?(前回施術後の夜、翌日)
あおむけで寝るのがとても楽になりました。時々腰がカイロをはっているように暖かく感じました。
肩、背中、腰の痛みはまだ感じます。
体調の変化はありますか?
食欲が出てきて、普通に食事ができるようになりました。
量は普通に食べると、胃がもやもや、調子が悪くなります。

第10回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
背中・腰・お尻とも痛みはなくなりました。胃も食べものを制限しているので、そう痛みません。
体調の変化はありますか?
花粉症が一事よりかなりマシです。
その他ご希望があれば、自由にお書きください。
最近、歯を食いしばるくせを意識してても、ゆるめにくい。

第11回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
痛さはほとんど感じなくなりました。
体調の変化はありますか?
全体的に良好になってきました。食事も他の人と同じ量食べられますが、メニューによっては胃がしんどいと感じます。
~院長の一言~
身体全体の筋肉の疲れや凝りも取れて、痛いところがなくなってきましたね。食べ物も気をつけて良く制限できています。花粉症が一事より良くなり、よかったですね。本来の健康な身体までもう少しです。ゴールが見えてきました。

私見

bensyou
本来の健康で丈夫な身体にすることが私の使命と認識しています。
痛みに対する身体の状態はと言うと、機能的なもので、器質的なものは一切無く、重症ではありません。回復する機能が衰えているだけです。だから、痛みを取ることだけなら、ほんの数回の鍼灸治療で改善されるでしょう。
根本改善が東洋医学の理念であり、醍醐味です。

[左手部捻挫]手首を後ろ側に背屈しても、小指側に曲げても、手関節に激しい痛みが走る

初診

2018年2月6日  
34歳 男性

主訴

左手関節の痛み

診断名

左手部捻挫
前腕筋群の緊張・短縮・炎症

現病歴

tekubi
バイクの販売・修理を行う仕事をしております。バイクの修理では、ネジを閉めたりゆるめたりする事が多く、手首をよく使います。ハーレーダビットソンなどの大型バイクは、1台300~400㎏ぐらいあります。限られた敷地の店内で動かすので、前に押したり、後ろにひいたり、回したり、何やかんやで1日中手を使っています。
3年来の手関節の疼痛で、緩快・増悪のくり返しをしております。手首を後ろ側に背屈しても、小指側に曲げても、手関節に激しい痛みが走ります。治ったと思ったら、忘れた頃にまた痛くなり、この3年間痛みをずっとくり返していました。酷くなったのは、ここ2週間で、強い力を入れると激痛が走り、手をつくのも痛くなったので、このままでは仕事ができなくなると思い、ネットで検索して、当院をみて本日2月6日(火曜日)に来院いたしました。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
byoutai02

  • 手関節の背屈痛(角度30度で疼痛)
  • 手関節の橈屈痛
    以下の前腕筋群に緊張・萎縮・炎症を認める。又、それぞれの筋と筋の間溝に炎症。
    浅部から深部まで、特に深部の炎症を引き起こしている。
    ・総指伸筋  ・小指伸筋  ・尺側手根伸筋
    ・長・短橈側手根伸筋  ・腕橈骨筋
  • 上腕二頭筋、上腕三頭筋などの上腕筋群にも緊張・萎縮を認める

中医学による病態の把握
byoutai04

    舌診

  • 舌体
  • 胖大

  • 舌色
  • 紅舌

  • 舌苔
  • 苔小。水多し

  • 舌下静脈の怒張、舌根下部にあり
    体内の一部で、血流が慢性的に悪化していることを示す。
  • tongue out

    脈診

  • 毎分60 滑脈
  • 顔や頭が熱く足が非常に冷たい
    (上熱下寒であり、体内の熱が上半身、とくに頭部に偏っていることを示す)
  • ~気血津液弁証~

  • 気滞証
    気の流れの停滞により、推動力が低下し、血液と体内水分の流れが悪くなっている。
  • 痰湿証
    脾気が低下し、水分代謝が悪化し、慢性化している。
  • 瘀血証
    身体内の一部分の血流が悪化し、慢性化している。

方解

byoutai09

肘および前腕筋群の疲労が蓄積し、慢性化して改善されなくなっている。手指および手関節のあらゆる動きは、前腕筋群で行なっている。ゴルフ肘やテニス肘で見られるような、前腕筋群に過剰な負担がかかったためである。毎日の仕事を通して、疲労が積み重なったものである。

治療方針

~全身的な視点から診た鍼灸治療~
byoutai03

  • 全身の気・血・水の流れと水分代謝を促進させる。

~局所的な鍼灸治療~

  • 現代医学的な病態把握でとらえた筋群の調整を行う。
    浅部から深部まで丁寧に筋肉の緊張を緩め、炎症を取り除き、痛みを改善させる。全身症状より局所的な状態が悪化しているので、徹底的な対処療法を局所に施す。
    自分のもつ自然回復力で回復できるように鍼灸治療を施す。

治療経過

患者様のお声をそのまま記します

第1回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
痛みは少しマシになっています。スコアで言うと、来院した時を10とすると、6です。
本日、一番取りくんでほしい治療は何ですか?
前回と同じくお願いします。

第2回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
かなり楽になりました。痛みをスコアで表すと、10から4になりました。
本日、一番取りくんでほしい治療は何ですか?
引き続き、お願いします。

第3回目の治療

痛みの強さに変化はありますか?
ほとんど痛みはなくなりました。

[慢性頭痛]後頭部が常に重だるく、締め付けられている感じ。

初診

2018年1月12日  
40歳 男性

主訴

16年来の頭痛および全身の筋肉の萎縮緊張

診断名

慢性頭痛

随伴症状

  • 首・肩・胸郭・背中・腰・両ふくらはぎの緊張と痛み
  • 精神的な葛藤と不安がいつもある
  • 全身がだるい

現病歴

zutsuu16年来の頭痛持ちです。
後頭部が常に重だるく、締め付けられている感じです。
頭頂部が張り、頭にいつも緊張感があります。全身の筋肉が緊張、萎縮し、首・肩・背中・腰・両ふくらはぎがとても痛いです。
常に葛藤や不安があり、身体がいつもだるく、どんな薬を飲んでも効果がないので、薬はどんどん強くなって、今服用している薬は、もうこれ以上はないという所まで来ています。脳神経外科では、脳の緊張を和らげる薬と、脳や頭の痛みを感じさせなくするトラムセット、ほかに抗不安剤、抗うつ薬を服用しております。

頭や顔が熱くのぼせ、足が氷のように冷たい

重症化したこの頭痛と身体の緊張と強ばりを何とかしたいと思い、来院しました。食事は、朝は豆乳とバナナのみ、昼はコンビニの弁当、夜は~~です。
すべて外で買ったものを食し、自分で作ることはありません。
食欲も全然ありません。運動は、仕事で動く以外、まったくしていません。小さいときから親からの干渉が強く、親に気に入れられたいという気持ちが今でもあり、不安や葛藤があります。
頭や顔が熱くのぼせ、足が氷のように冷たいです。

現象

現代医学的な方法による病態の把握と、
中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

現代医学的な把握
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~首・肩・腕・胸郭・背中・腰・両ふくらはぎの筋緊張著明~

  • 首・胸郭  板状筋、肩甲挙筋、前中後斜角筋、後頭下筋
  • 肩・背中・腰  三角筋、上肢帯筋、菱形筋、後背筋、僧帽筋、脊柱起立筋、腰方形筋、腹斜筋、中殿筋、梨状筋
  • 問診時の回答は、理路整然としており、頭脳明晰でクリアである。

中医学による病態の把握
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    舌診

  • 舌体
  • 老舌
    (実証を示し、身体に有害なものが存在することを示す)(気滞・瘀血・痰湿など)

  • 舌色
  • 紅絳舌、紫暗
    (血が熱せられて流れが悪いことを示す)

  • 舌苔
  • 厚膩苔で色は黄色。痰濁内停
    これは、水分の代謝が悪くなり、体内に水分が長く留まり、古くなって体内水分が粘り、汚れて熱せられていることを示す)

  • 舌下静脈の怒張、著明
    脈絡が網目状になっており怒張がある。このことは、体内の血流が慢性的に非常に悪化していることを示す。
  • tongue out

    脈診

  • 毎分72 滑脈
  • 顔や頭が熱く足が非常に冷たい
    (上熱下寒であり、体内の熱が上半身、とくに頭部に偏っていることを示す)
  • ~気血津液弁証~

  • 気滞証
    気の流れの停滞により、推動力が低下し、血液と体内水分の流れが悪くなり、それらの停滞を引き起こしている。
  • 痰湿証
    苔は舌全体に厚く広がり、黄色く粘っこくなっている。
    このことより、身体内の水分代謝が悪化し、慢性化して長期にわたり、身体内の水分は汚れて粘り熱せられ、重度の水分代謝障害があると判断する。
  • 瘀血証
    身体内の血液の流れが悪化し、慢性化していると判断する。

~臓腑弁証~

  • 肝気鬱血
  • 心肝火旺
  • 上熱下寒
  • 方解

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    ストレスにより肝の経絡の気の流れが鬱滞し、長期化し、そのため肝気の鬱滞により熱を生じ火となり、肝火の上炎を引き起こしています。肝火は心火を誘って上炎し、心肝火旺となっています。
    理性的な心と主観的な感情が闘いあって、葛藤を引き起こし、心肝火旺の証となり、16年にわたる慢性的な頭痛を引き起こしています。

    また食生活は非常に偏りがあり、ミネラル・ビタミン・たんぱく質・炭水化物のなかで、ミネラル・ビタミン・たんぱく質が不足しています。
    そのため血液は酸性化し、イライラし易くなり、精神葛藤や精神不安を引き起こしています。

    今も親の期待に応えようとする気持ちが会社の中の同僚や上司また友人の中でも親にすり替わり、同じことをくり返しているので、絶えず過剰な頑張りや自責感にさいなまされています。
    このことが肝気の鬱滞や肝火・心火に繋がり、また気滞血瘀(気の流れの鬱滞による血流の低下)痰湿証(体内水分の鬱滞)を引き起こし、精神葛藤や精神不安を常にもたらし、16年におよぶ慢性的な頭痛を引き起こしています。

    治療方針

    ~全身的な視点から診た鍼灸治療~
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    • 鍼治療で肝気の鬱滞と、心火亢盛を改善させる。
      治療法則は、肝気の鬱滞に対しては、 疏肝理気を行う。
      経穴は、太衝、合谷、内関を選穴する。
      肝火や心火に対しては、清瀉肝火・ 清心瀉火を行う。
      経穴は、足の厥陰肝経の行間、手の少陰心経の少府を選穴する。
    • 気滞、血瘀証に対しては、理気活血を行う。
      経穴は、合谷、太衝、足三里、三陰交を選穴する。
      痰濁証に対しては、足三里、豊隆、三陰交、陰陵泉、合谷、曲池を選穴する。
    • 合谷、曲池で、全身の熱を清熱しながら、水分代謝を促進させる
      最も得意な経穴を選穴し、停滞した水分代謝の促進を行う。
    • 肝気の鬱滞と心火亢盛の証を改善させ、精神や感情の安定をはかる。そして身体内の血流の改善や水分代謝の促進を行う。
      上熱下寒(心腎不交)に対しては、鍼で肝火と心火を瀉し、灸で腎陽を温め、交通心腎をはかる。

    治療経過

    患者様のお声をそのまま記します

    第3回目の治療

    痛みの強さに変化はありますか?
    全体的にへってきました。
    体調の変化はありますか?
    よく寝れています。
    全体的に楽になってきました。

    私見

    bensyou

    頭痛というのは、病名ではなく症状名です。
    頭痛という病気はないのです。
    頭痛は、脳の中にできた腫瘍や動脈瘤のために引き起こされることも稀にありますが、頭痛の原因の90%近くは、精神活動や生活習慣の中で引き起こされるものがほとんどです。
    いくら強い薬を服用して痛みを止めても、その場限りで原因は何ら取り除かれていません。
    なので、ずっと薬を飲み続けることになり、段々と痛み止めの薬が強くなり、ついには今回のように痛みを感じさせなくする薬まで与えられています。
    大切なことは強い薬を用いて痛みを止めることではなく、頭痛を引き起こしている根本原因を取り除くことです。

    今回の患者様の頭痛も、精神葛藤と食生活の不摂生という日常の生活習慣からもたらされたものです。頭痛は、重症な器質的な大きな疾病は何もなく、正常であります。

    体質が健康から病気になる境目まで悪化しているだけで、まだ健康状態と言えます。本人は、最悪の身体の状態と思っていますが、最悪ではなく、病気の狭間にある健康な身体の状態です。本人が生活習慣を直すこと50%、治療が50%のヒフティヒフティの治療で、この頭痛は改善します。
    6ヶ月を目標に、鍼灸で証を改善させ、同時にご本人の精神活動および食生活を中心とした、生活習慣のすべてを改めれば16年来の頭痛持ちという年数に関係なく、改善されるものです。

    前向きな方ですので、ご自身の日常生活の中の特に食事もすぐに改善されているようですので、体質も良くなっていき頭痛の起こりにくい身体をご自身でも作っていかれています。

    [パソコン肘]手を普通に使っていると、突然激痛が肘の外側にはしります。

    初診

    2018年1月18日  
    30歳 女性

    主訴

    右肘の痛み

    診断名

    パソコンの使用による肘の痛み

    随伴症状

    • 便秘

    現病歴

    computer_woman昨年春先から、右肘が痛みます。一日の仕事の中でパソコンを6時間ぐらい使います。マウスを動かすことが多く、右手の人差し指と中指を交互に頻度高く動かし続けております。
    仕事の疲れやイライラを取り、ストレス解消のために、家に帰ってからもネットやゲームを行います。3時間ぐらいはパソコンを離せません。
    昨年の4月、病院で注射を打ってもらって、いったん痛みは治まっていました。

    突然激痛が肘の外側にはしります。

    その後、9月ごろに再発し、車の運転にも仕事にも、また日常生活の様々なことにも支障が出始めました。手を普通に使っていると、突然激痛が肘の外側にはしります。また昨年の末より便秘気味で3,4日に一度しかスムーズに排泄できなくなりました。
    現在は、肘をまっすぐ伸ばすだけで痛く、このまま症状が進んでゆくと、仕事もできなくなると思い、インターネットの検索で当院を知りました。
    今年1月18日に来院いたしました。注射や薬で一過性に痛みを取るのではなく、根本的に治さなければいけないと思ったからです。

    現象

    現代医学的な方法による病態の把握と、
    中医学基礎理論を用いる中医学弁証による全身状態の把握

    現代医学的な把握
    byoutai02
    ~触診による検査~

    • 上腕側外側上顆を軽く押圧するだけで、飛び上がる程痛む。
    • 総指伸筋と小指伸筋(手首を背屈し、中指と人差し指を動かす筋肉で、指をそらす働きを行う)に著明な圧痛あり。
      両筋肉は、上腕骨外側上顆に付着している。
    • 尺側手根伸筋(手首を小指側に曲げる筋肉)
    • 上腕三頭筋の緊張・萎縮を認める(肘関節では肘を伸ばす働きをする)
    • 肘筋(肘を伸ばすときに三頭筋の働きを助け、関節包を緊張させる)の萎縮・緊張を認める。

    中医学による病態の把握
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      舌診

    • 舌体
    • 舌の動きは正常

    • 舌色
    • 淡紅舌、やや紅

    • 舌苔
    • 薄白苔、苔やや少なく水っぽい
      苔が少なく水っぽいのは、脾気の生理機能の低下を示す)

    • 舌下静脈の怒張、少しあり
      全身の一部で血流が低下していることが考えられる
    • tongue out

      脈診

    • 毎分72 滑脈
    • ~臓腑弁証~

    • 肝鬱脾虚
    • ~気血津液弁証~

    • 気滞証
      気の流れの停滞により、推動力が低下し、血液と体内水分の流れが悪くなり、それらの停滞を引き起こしている。
    • 湿証
      苔が少なく水っぽいのは、脾気虚による水分の代謝障害である。
    • 瘀血証
      身体内の血液の流れが身体の一部で悪化しているところがあり、慢性化していると判断する。

    方解

    byoutai09

    ~現代医学的病態把握はパソコンで肘を傷めたことを証明している~
    パソコンを使用するとき、手を背屈させて、やや手を外側に向けてマウスを使い、中指と人差し指を動かす動作をくり返すと思います。

    現代医学的病態把握の中で触診により筋肉の緊張や圧痛を診てみると、まさにパソコンを使用するときの動作で多用する筋肉が緊張・萎縮し、それらの筋群の付着の上腕側外側上顆に激しい炎症を引き起こしております。まさにパソコンの使用により引き起こった症状であります。
    ですから、パソコン肘と名づけました。

    指や手首を動かすだけの軽い力なのにと思っても、繰りかえし何時間も使っていると、筋肉は疲労し緊張・萎縮し、筋肉に痛みや炎症を引き起こします。
    それらの筋肉の付着部であり支点となる上腕側外側上顆に激しい炎症を引き起こしたと考えられます。

    現代医学的病態把握の中で、筋肉の作用から遡り分析してみると、明らかにパソコンによる障害であることが裏付けられました。

    ~東洋医学的把握から証明されるもの~
    東洋医学の経絡の観点から見ると、緊張・萎縮した前腕筋群の中を手の陽明大腸経の経絡がまさにその筋中を通っているので、便秘を引き起こす誘因になったと考えます。経絡の中の経気(気血)の流れが悪くなったためです。またストレスにより、肝気が鬱滞し、脾気が低下したために消化・吸収・排出の力が低下したためと考えます。

    治療方針

    ~全身的な視点から診た鍼灸治療~
    byoutai03

    • 現代医学的な病態把握で認められた筋肉の筋緊張を鍼で取り除き、手首の背屈や中指・人差し指の健全な動きを取り戻す。
    • 同時に、上腕側外側上顆の周りに鍼を集中して刺針し、炎症を改善させる。一つ一つの筋群に丁寧に刺針し、浅層から深層まで柔らかく穏やかに進鍼し、筋肉の正常な弾力をくり返す。
      丁寧にということは、何度もくり返し、筋肉の中に鍼を通して明らかに緊張が改善されるまで、柔らかい弾力を取り戻すまで時間をかけて施術を行うということである。鍼を刺せば、筋肉が緩むというものではない。

    ~鍼の進鍼技術について~
    筋肉は、鍼の繊細なタッチを快く受けとめて始めて反応するものである。緊張した筋肉を緩めるためには、柔らかい指先の弾力をもち針先に全精神を集中させ、髪の毛よりも細い鍼の先を感じ筋肉と心地よく戯れるように手技を施すことが必要である。肘の炎症を取り除くためには、卓越した鍼の技術が必要である。経験を積み指頭感覚を鋭敏にしないと非常に難しい部位なのである。

    • 東洋医学的病態把握で認められた証に対して施術を行う。肝気を巡らし、脾気を高める施術を行う。
      合谷・太衝・内関・疏肝理気・中脘・天枢・足三里
      (胃腸の働きを高め、胃と腸を連動させ、脾気を高める。肝気を巡らし脾気を強めることでストレスを改善し、胃腸の働きを高める。)
    • 全身的な病態を回復する鍼と、局所に対する鍼を同時に並行して行い、最短の期間で激痛を取り、正常な指の動きを取り戻せるように努める。

    治療経過

    患者様のお声をそのまま記します

    第1回目の治療

    痛みの強さに変化はありますか?
    一回の治療で、急に痛むことはなくなりました。

    第2回目の治療

    痛みの強さに変化はありますか?

    第3回目の治療

    痛みの強さに変化はありますか?
    はい、あります。
    激痛が、ましになりました。肘を伸ばすのは、まだ痛いです。

    私見

    bensyou

    現代医学的病態把握のなかで、明らかにマウスを使う動きとキーボードを打つ動きで引き起こされた症状であることが裏付けされた。

    また東洋医学的病態把握の中で、ストレスにより脾気が低下したこと、また負傷部の前腕筋群の筋中を、大腸経の経絡が通過しているため、その前腕筋群の経気(気血)の流れが妨げられた。その両方が要因となって起こった症状である。

    また東洋医学的病態把握の中で、ストレスにより脾気が低下したこと、また負傷部の前腕筋群の筋中を、大腸経の経絡が通過しているため、その前腕筋群の経気(気血)の流れが妨げられた。その両方が要因となって起こった症状である。

    パソコンを多用する現在、このように肘を痛め、パソコン肘になる人々は、沢山いるであろうことが容易に推測される。

    激しく痛むときは注射や薬で一時的に痛みを抑えることも一つの方法であり、完全に回復するまで前腕の安静をはかれれば良い。

    しかし、痛みを抑えてこれまでと同じ作業を継続するのなら、症状はさらに悪化し重症化してしまう。症例の患者様のように一時的な対処療法で改善が見込めない場合は、根本的な改善のための治療を行うことが日常生活に支障が無いところまで改善させるための最も早道である。