月別アーカイブ: 2012年10月

update:2012年10月29日 最終更新日:2012年10月29日

わかりやすい中医学入門【陰と陽】25

※効果や感じ方は人によって異なります

中医学はこのように人体のバランスすなわち調和を最も大切に考えており、その調和を取ることにより自分自身が本来もっている治ろうとする力を最も発揮することができるように考えてゆくのです。症状より原因となる本質を求めて根本的な改善をはかることが中医学の基本理念なのです。

病気で苦しんでいる方がたくさんおられますが、同じ病名でもひとりひとり病態は一様ではありません。百人いれば百人違うのが実際です。
例えば頭痛を例にとると、頭痛という症状は皆同じでも個々の原因はそれぞれ異なるわけです。中医学では頭痛という症状に対して治療を施すのではありません。個々の病気の発生メカニズムにさかのぼり、本質的な原因と現在の病気を総合的に分析してその結果を証という形で表し、その証に対して治療を施こすのです。症状や病名に対して画一的に同じ治療を施すのではなく、ひとりひとりに合わせた治療が必要です。

証を立てて治療方法を導き出すことを中医学(ちゅういがく)弁証(べんしょう)論治(ろんち)といいます。この講座では証を立てるためにこれだけは必要と思われる知識を勉強していきます。英語の勉強で例えれば日常会話が話せるようになるための講座なのです。
※中医学の診断において、舌脈診はとても大切なので「日常でできる舌と脈の診察法」のところで詳しくお話いたします。

この章では、実証と虚証、寒証と熱証の概念をおわかりいただけましたでしょうか?
寒熱・虚実の概念はとても大切なので、皆様に少しでもわかりやすくするために、私が尊敬する師より教わった内容を基に補足説明を加えました。私はこれらの定義や主な症状については常に暗記することを命ぜられましたが、後になってとても役に立ちました。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月26日 最終更新日:2012年10月26日

わかりやすい中医学入門【陰と陽】24

※効果や感じ方は人によって異なります

私の経験した症例の一つを例に挙げます。

この症例は多臓器疾患から、腎陰虚に派生した例です。
本来陽(よう)性体質である方が、長期に渡る過剰な精神的ストレスと久病老化のために、腎の陰液(いんえき)を消耗してしまいました。身体には主訴(しゅそ)以外に様々な不定(ふてい)愁訴(しゅうそ)が表れ、精(せい)神面も身体のこまやかな症状にとらわれ、異常なほどの不安に襲われ心の落ち着きを失い、精神面でのいちじるしい衰弱があらわれました。

この場合、根本は陰の不足ですので、陰(いん)を補うことが大切な事は言うまでもありません。できるだけ早く合理的に陰を補うことが必要です。陰虚である以上全体としてはほてるなどの虚熱症状であるので、本来熱を加えずに、陰(いん)を補うのですが、同時に腎の陽を少しだけ補いました。
陰中求陽で、陽を補うことで、腎精そのものを充足することができるのです。陰陽の根源は腎精だからです。その後やはり虚寒の症状も現れましたが、陰陽両虚損への進行は免れ、腎陰も腎陽も回復させることができました。

甘いぜんざいに少し塩を入れてやると、さらに甘さを増すように、少しの陽を補うことで、陰をより強力に補うことができ、全体として身体自身が自ら回復する力を最も発揮することができたのです。またこのようなケースでは寒熱の判断がきちんとできていることが大切です。病気の状態というのは一定ではありません。絶えず変化していくので病態の変化に素早く対処できることが必要です。そのために、症状や総合的な病態を表す証の変化を、舌診や脈診で常に観察しながら対処していくことを習慣として身につけることが大切です。

このように同じ熱証や寒証でも、実証か虚証かで治療方法は全く異なります。
これは、現代医学にはない観点ですが、中医学においては治療の鍵となる、とても重要なポイントなので、特に注意してください。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月22日 最終更新日:2012年10月22日

わかりやすい中医学入門【陰と陽】23

※効果や感じ方は人によって異なります

「命門(めいもん)の火(ひ)」の盛衰(せいすい)は、命のはたらきそのものです。
腎(じん)陰(いん)と腎(じんよう)陽(よう)はともに腎(じん)精(せい)を物質的な基礎としています。
ともに腎(じん)精(せい)が物質的な基礎であり、根源となる材料が同じということです。
腎(じん)陰(いん)か腎(じん)陽(よう)のどちらかに不足を生じた場合には、腎(じん)陰虚(いんきょ)とか腎(じん)陽(よう)虚(きょ)とか表現されますが、実際はどちらも腎(じん)精(せい)の不足なのです。
ですから、腎(じん)陰虚(いんきょ)がある程度まで進行すると、かならず腎(じん)陽(よう)に波及して腎(じん)陽(よう)も不足しはじめ、陰陽(いんよう)両虚(りょうきょ)損(そん)に発展します。
逆に腎(じん)陽虚(ようきょ)がある程度まで進行しても、腎(じん)陰(いん)に及んで腎(じん)陰(いん)も不足しはじめ、同じく陰陽(いんよう)両虚(りょうきょ)損(そん)となります。

これは中医典では「陽(よう)損なわれ(そこ)陰(いん)に及ぶ(およ)」あるいは「陰(いん)損なわれ(そこ)陽(よう)に及ぶ(およ)」と表現されています。陰と陽は互根なので、陰(いん)と陽(よう)どちらも不足した状態である陰陽(いんよう)両虚(りょうきょ)となるのです。これは慢性の虚証(きょしょう)の病によくみられる病理の進行過程です。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月19日 最終更新日:2012年10月19日

わかりやすい中医学入門 【陰と陽】22

※効果や感じ方は人によって異なります

陰陽(いんよう)の根源である腎(じん)陰(いん)・腎(じんよう)陽(よう)を化生(かせい)する
さて、腎(じん)精(せい)から化生(かせい)されるのは腎(じん)陰(いん)と腎(じん)陽(よう)です。

腎(じん)陰(いん)は人体の陰液(いんえき)の根源であり、腎(じん)陽(よう)は人体の陽気(ようき)の根源です。
腎(じん)陰(いん)とは何かというと、腎(じん)自体の陰液(いんえき)であり、腎(じん)陽(よう)の活動を支える基礎的物質です。
さらに、腎(じん)陰(いん)はあらゆる臓腑や組織を潤し滋養(じよう)しています。
たとえば、肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)の陰(いん)液(えき)の根源は腎(じん)陰(いん)なのです。

腎(じん)陽(よう)は腎(じん)陰(いん)の状態が機能としてあらわれたもので、人体の各臓腑(ぞうふ)の生理機能に対し、温煦(おんく)と推動(すいどう)の作用を果たしています。
人体の生理活動全般を起こす動力の源泉(げんせん)である腎(じん)陽(よう)は「命門(めいもん)の火(ひ)」ともいわれ、生命力そのものをあらわしています。
「命門(めいもん)の火(ひ)」が強ければ強いほど、生命力が充実して、筋肉や骨がたくましくなり、気力が充実して身体のあらゆる機能、臓腑(ぞうふ)も活発にはたらきます。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月15日 最終更新日:2012年10月15日

わかりやすい中医学入門 【陰と陽】21

※効果や感じ方は人によって異なります

陽だけが生理的調節範囲を超えて不足すると、陰が盛んになります。
この状態を陽虚といい、寒症状となることは前にも述べましたが、この寒は、温める機能である陽の不足のため生じていますので、その不足している陽を補うことが治療方法となります。

陽虚である虚寒証の場合の針灸治療の方法は、陽を補うことに適したツボを選択して、主に灸を用いて、不足している陽を補います。手技は正を補う補法を用います。
中薬では補陽に優れた中薬を選択して処方します。
同じ寒証でも、実寒証と虚寒証である陽虚証の症状を区別できるように、陽虚証の症状の特徴をあげておきます。

1、疲倦乏力(ひけんぼうりょく) 身体が疲れやすく力がない
2、気短(きたん) 動くとすぐ息切れがする
3、懶言(らんげん) ぼそぼそとものを言い、口を開くのもおっくう
4、易(い)感冒(かんぼう) 風邪をひきやすい
5、自汗(じかん) 汗が漏れやすい
6、寒さを嫌がる、寒がる
7、口淡(こうたん)不渇(ふかつ) 口の中が水っぽく、のどは渇かない
8、便溏尿清(べんとうにょうせい) 便が固まらず、尿が透明で量が多い
9、舌診、淡、胖(はん) 色が淡くふっくらとしている
10、脈、遅(ち)、無力 脈拍が遅く力がない
※この陰虚証と陽虚証については、次の章でさらに詳しくお話します。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月12日 最終更新日:2012年10月12日

わかりやすい中医学入門 【陰と陽】⑳

※効果や感じ方は人によって異なります

では、陰虚証、陽虚証について、説明します。

陰だけが生理的調節範囲を超えて不足してしまうと、陽が亢進した状態となります。
この状態を、陰虚といい、熱症状となることは前にも述べましたが、この熱は、冷却物質である陰の不足のため生じていますので、その不足している陰を補うことが治療方法となります。

陰虚である虚熱証の鍼灸治療の方法は、陰を補うのに適するツボを用いて、その不足している陰を補います。
手技は正を補う補法を用います。
中薬では補陰に優れた中薬を選んで用います。
同じ熱証でも実熱証と虚熱証である陰虚証の症状を区別できるように、陰虚証の症状の特徴をあげておきます。

1、盗汗(とうかん)、寝ると汗をかくことです。
2、五心煩熱(ごしんはんねつ)、両手や両足、胸の中心がほてる
3、潮熱(ちょうねつ)、午後の決まった時間に熱が出る
4、顴紅(かんこう)、ほほが赤い
5、舌診、地肌が紅い、苔が少ない 
6、脈診、細数(さいさく)、陰である血が不足しているため、血管は細く、熱のため脈が速くなります。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月8日 最終更新日:2012年10月8日

わかりやすい中医学入門 【陰と陽】⑲

※効果や感じ方は人によって異なります

陽実証は、熱性の病邪が多盛となり、機能が亢進し、身体の反応性が増し、身体の熱が過剰になることをいいます。
陽が盛んな実熱証の鍼灸治療の方法は、清熱に効くツボを用いて、過剰な熱を取り除きます。
手技は、邪を取り去る瀉法を用います。
中薬では、過剰な熱を取り除くことに優れた寒涼(かんりょう)の中薬を用います。
(※ツボについては鍼灸総論で、中薬の処方については方剤総論で詳しく述べます。)

陰実証は冷たい病邪が多盛になり、機能が抑制されたり、妨げられたりすることをいいます。

陰が盛んである実寒証の場合の針灸治療の方法は、寒が過剰となっている臓腑、経絡より、過剰となっている寒を取り除きます。
手技は邪を取り去る瀉法を用います。

更に、神闕(へその上)などの経穴に灸を行って温めます。
中薬では、過剰な寒を取り除くことに優れた辛熱(しんねつ)の中薬を用います。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月5日 最終更新日:2012年10月5日

わかりやすい中医学入門 【陰と陽】⑱

※効果や感じ方は人によって異なります

臨床にのぞんで病気の状態を把握するとき、寒熱の概念はとても大切なものとなります。

例えば、鼻水について考えますと、さらさらした白い透明な鼻水が水のように流れ出すAさん、ねばねばした黄色い鼻水の出るBさんがいるとします。
Aさんの方は、寒い屋外にいたり、冷たい風にあたると、さらに症状が悪化し、Bさんは暖かい部屋で暖かい風にあたると、症状が悪化するとします。
明らかにAさんの病邪の性質は寒証、Bさんの病邪の性質は熱証と判断できます。
現代医学では、鼻水という症状の改善に対しては、Aさん、Bさんともに、同じ薬を用いますが、中医学では、同じ薬を使うことができません。
同じ鼻水という症状でも、熱性(ねっせい)か寒性(かんせい)かという病気の性質によって、使う生薬が異なるのです。

鍼灸でも、使用する経穴や、手技が異なってくるのです。
だから、このように詳しく、病気の性質を調べることが必要なのです。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年10月3日 最終更新日:2012年10月3日
update:2012年10月3日 最終更新日:2012年10月3日
初めての方は、まずお気軽にお電話ください。ご来院前にお電話でのご相談も行っています。
大阪府豊中市服部南町1丁目3番33号
阪急宝塚線 服部天神駅徒歩3分