月別アーカイブ: 2012年7月

update:2012年7月28日 最終更新日:2012年7月28日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑯

※効果や感じ方は人によって異なります

気陥
気が不足した病証のなかに気陥があります。
とくに、中気、すなわち脾胃の気が不足して、気血が昇らず、内臓などを引き上げる力が無くなった状態をいいます。
気虚の症状のほかに、このような清陽(せいよう)不昇(ふしょう)、昇挙無力(しょうきょむりょく)の症状を伴います。
内臓下垂、脱肛、膀胱や子宮脱などがその例です。

症状
元気が無いなどの気虚の症状に加えて、無力感、立ちくらみ、下腹部の下垂感、慢性の下痢、内臓下垂、脱肛、膀胱や子宮脱などを伴います。
舌質は淡、脈は沈で無力となります。
治療方法
治療方法は益気(えっき)昇提(しょうてい)です。
症状と治療法則をまとめるとこのようになります。

①気滞←行気
②気虚←補気
③気逆←降気
④気陥←益気昇提

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年7月25日 最終更新日:2012年7月25日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑮

※効果や感じ方は人によって異なります

気逆
気逆とは、下降すべき気の運動方向が逆に上に上がることです。
気逆には、胃気上逆、肺気上逆、肝陽上亢があります。
気の運動のことを気機といいます。
気には上に行ったり、下に行ったり、外側に向かったり、内側に向かったりと方向性があります。
これを気の昇降(しょうこう)出入(しゅつにゅう)といいます。

気逆の原因
気逆の原因としては、情志の鬱結、すなわち感情や意識が長期にわたって鬱滞した状態や、食積(しょくせき)、すなわち胃腸に常に物がたまって負担をかけたり、痰飲、すなわち体内の水が長く停滞してねばねばした状態などがあります。

症状
胃気上逆では、悪心(おしん)、嘔吐、噫気(あいき)、胃酸の逆流による胸焼けなどが起こります。
悪心は吐き気、噫気とはゲップのことです。
肺気上逆では、喘咳(ぜんがい)、呼吸困難が生じます。
喘咳は、肩をゆするような激しいセキのことをいいます。
たとえば、咳についてみますと、風邪ではないけれど、いつも咳がでるとします。
特に、ストレスがかかると咳が多くでます。
また、夜中に激しく咳きこむことが多いです。
夜中に咳が出るのは、夜には陽気は体内の中心にあり、気が日中よりめぐらなくなるためです。
このような咳は、肝気が亢進して肺に横逆したために、肺気が上逆したものです。
根本的な治療としては、肝気の鬱滞による肝気の亢進を抑え、肝の疏泄(そせつ)機能を回復させることです。
そして、肺気を降ろします。
治療法は疏肝(そかん)理気(りき)+降気(こうき)となります。
肝陽上亢では、肝気の疏泄、昇発が過度になって、血とともに肝気が頭面部に上昇して、内側から脹るような痛みの頭痛や、眩暈すなわちめまいやふらつくような感覚を伴い、下半身の力が不足した状態となります。

※詳しくは臓腑の生理のところでお話いたします。
治療方法
上逆した気を元に戻すことで降気といいます。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年7月21日 最終更新日:2012年7月21日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑭

※効果や感じ方は人によって異なります

気の病証気の病証としては、気滞、気虚、気陥、気逆があります。

気滞
気のめぐりが悪くなり、気が滞ること。

気滞の原因
激しい怒りの感情や不安、葛藤やイライラが長期間続く、などのストレスが原因となります。

気滞の症状
くよくよしやすい、よくため息をつく、イライラするなどの精神的な症状や痛みが出ます。
痛みは、張ったような感じで、痛みが時間的に増減したり場所が変化するなどの特徴があります。
また、つかえる、おなかが張るなどの症状も出現し、ゲップや排ガスにより、一時的に症状が軽減します。

治療方法
治療方法は気をめぐらすことで、理気といいます。

気虚
気が不足して、気の機能が低下した状態です。
気が不足すると、気の推動・温煦・防御・固摂・気化作用が低下し、様々な症状を引き起こします。

気虚の原因
生まれつき元気(げんき)が足りない、大病や長期間にわたる病気、過労や心労、もともと脾胃が弱い、または暴飲暴食による脾胃の機能低下、老化は気(き)の消耗をまねきます。

気虚の症状
①疲倦乏力(ひけんぼうりょく):身体が疲れやすく力が出ない
②少気懶言(しょうきらんげん):動くとすぐ息切れしてものを言うのもおっくう
③面色光白(めんしきこうはく):顔色が白く光ったように見える
④自汗(じかん)・易(い)感冒(かんぽう):少し動いただけで汗が出やすい、風邪をひきやすい、
※舌淡・脉虚無力:舌の色が淡い、脈に力がない

治療方法
治療方法は気を補うことで補気といいます。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年7月18日 最終更新日:2012年7月18日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑬

※効果や感じ方は人によって異なります

⑤気化作用
精の一部が必要に応じて血に作り変えられたり、血の一部が精にたくわえられたり、津液を代謝する過程で、汗や尿に変化させたりしており、これを気化作用といいます。
つまり、精から血、血から精、気から血、血から気、それぞれ必要に応じて、相互に転化する、または、相互に化生する作用をいいます。

気の機能をまとめると以下のようになります。

①推動
②温煦
③防御
④固摂
⑤気化

気の病証

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年7月14日 最終更新日:2012年7月14日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑫

※効果や感じ方は人によって異なります

④固摂(こせつ)作用

体液が漏れないようにする作用を、固摂作用といいます。

固摂作用とは、血液、津液、精液などをつなぎとめる働き、血液が脈管外に漏れないようにする、汗や尿が漏れでるのを防いだりする働きをいいます。

身体の中には、基本的に液体がいっぱいあります。

その中の代表的なものを五液といいます。

涙、汗、涎(えん)、涕(てい)、唾液。

このうち、涎はよだれ、涕は鼻水のことです。

これらを五液といい、それぞれの液が特にどの臓腑の生理作用と密接な関係にあるか、教えられています。

それぞれ、涙は肝の液、汗は心の液、涎は脾の液、涕は肺の液、唾液は腎の液ととらえることができます。

たとえば、目が乾く、涙眼はどの臓腑、経絡を治療すればよいでしょう?

涙は、肝の液なので、肝の臓腑、経絡を調節すればいいのです。

汗は皆かきますが、多汗症の方がいます。

なぜ、ほかの人よりたくさん汗をかくのか、なぜ漏れるのか、普通に汗をかく人と、汗が漏れ出る人と、多汗症の方はどこが違うのでしょうか?

漏れすぎるということは、気の固摂作用と関係しており、汗は心の液です。

普通にしているのにいつもより汗が自然に漏れ出てくるという場合、心の気の作用が低下していないかと考えてみます。

 

たとえば、気が不足すれば、気を補うのが得意なツボ、足三里、脾兪などを用います。

これは、脾の経絡に属するツボで、全身の気を補うことができます。

なぜなら、気の生成は、脾、胃で行われるからです。

気を補うためには、脾胃の臓腑を強くすればよいのです。

心の気が不足して、心気虚となれば、動悸、息切れなどが見られます。

この場合、心の経絡の中で、特に心の気や血を補うことが得意な神門、心兪というツボを選択し、さらに足三里、脾兪を加えて、全体の気を補います。

このように症状がどの臓腑の生理機能の失調によるものかを判断し、その臓腑につながる経絡を選び、その中から必要な経穴を組み合わせて、調整することによって症状を改善することができるのです。

中薬なら、心の臓腑、経絡に帰経して、心気を補うことができる生薬を選べばよいのです。

たとえば、四君子湯に寧心安神剤などを加減します。

汗と血は、汗血同源といわれ、多汗症で汗をかきすぎる人は、心血を消耗して、将来、心疾患を患う可能性があります。

汗をよくかき、活動的で元気に見える人でも、汗と血は同じ源なので、長期にわたり多汗症が続くと、心血を消耗して心臓を養えなくなりますよということを言っているのです。

汗っかきの人を見たら、このことを思い出してください。

未病で治す、すなわち病気になる前に、予想して、病気にならないように治療をするのが東洋医学のモットーです。

 

また、老化現象が始まると、小便を漏らしやすくなります。

小便、すなわち尿は腎と関係しています。

ですから、腎の気が不足して、固摂機能が低下すると、おもらしをしやすくなります。

腎の気を補うことで、このような症状は防ぐことができます。

また、内出血しやすい人がいます。

血管の中から血液が漏れないようにする働きを、脾の統血作用といいます。

漏れやすいということは、気の固摂作用が低下しているということです。すなわち、脾気が低下しているのです。

この証候を脾不統血といいます。

この場合、脾気を補うことで、固摂機能が正常となり、漏れるという症状が改善されるのです。

気の固摂が低下しているために様々な漏れ症状があらわれるのです。

女性の胞漏、なども気の観点から治療することができます。

 胞漏とは生理時以外の出血のことです。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年7月11日 最終更新日:2012年7月11日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑪

※効果や感じ方は人によって異なります

 

③  防御作用
防御とは、肌表、すなわち体表を保護し、外邪であるウイルスや細菌および六淫(ろくいん)の侵入を防ぐ作用をいいます。

自然現象である風、寒、暑、湿、燥、火を過剰にうけて、身体が傷害された場合、これらを六淫といいます。
急激な気温の変化に応じられなくて、風邪を引いてしまう人、全然引かない人、どこが違うのでしょうか?

気が不足すると、衛気が十分生成されず、体表面をガードする衛気が不足して、風邪をひきやすくなります。
気の流れが停滞すると、気の量としては十分あっても、気の分布に偏りが生じ、風寒の邪の侵入を簡単に許し、風邪をひきやすくなるのです。
だから、気の不足を補ったり、気の流れを改善することによって、これらの症状を改善することができます。

大切なことは、一人一人持っている気の量も状態も違うということです。
また、一人一人の気の状態は、昨日と今日、今日と明日では違うのです。
その日の自分の体調は、舌を見ることでもチェックできます。

気が不足している時は、舌に歯型がついています。
舌に、歯があたっていても、気が充実していれば、舌本体に張りがあるので、歯型は残らないのです。

気虚になり引き締める力が不足してくると、舌体がやわらかくブヨブヨとした感じになるからです。
このようなときは、油断すると、ちょっとした気温の低下などで、 風邪をひいたり、疲れやすいので、過労や、無理を避けることも大切です。

脈もその日、その日で違います。
慣れてくれば、脈でその日の体調を見ることができるようになります。
脈や舌で体調の管理が行えるのです。
詳しいことは「日常の舌と脈の診察法」でご説明いたします。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年7月7日 最終更新日:2012年7月7日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑩

※効果や感じ方は人によって異なります

気の作用

気には推動、温煦、防御、固摂、気化という5つの生理作用があります。

生理作用をしっかり理解しておかないと、正常な生理活動に異常が発生して病的な症状が出てきたときに、どの生理作用の異常によるものかが理解できません。まずは、それぞれの生理作用をしっかり理解してください。

①  推動作用

人間の成長、発育、各臓腑(ぞうふ)の活動などを促進して、血(けつ)、津液(しんえき)などの液体の循環を推(すい)動(どう)します。

推動というのは、押し動かし推進させるという作用です。

我々の身体の中では、血液も水分も絶えず流れています。

血液と水分は本来身体を構成する大切なものですが、身体のある部分にたまってしまうと有益なものではなく病邪となってしまうのです。

たまらないように、絶えず循環する必要があるのです。
これらは気の働き、推動作用によって循環しているのです。
あるいは、様々な臓器にもそれぞれの働きがあり、生理活動を行っています。
そのような発育や一切の新陳代謝を推し進めるのが、気の推動作用です。

 ② 温煦(おんく)作用

全身や各組織を温める作用、これが気の温煦作用です。
温煦の煦という字は、中国語で温と同じ「温める」という意味です。
温め、ぬくめる作用を強調しています。
体内の陽気が不足すると冷えやすくなります。

気は全身を循環しています。
気が到達しているところは、全て温煦作用を受けています。
だから、末端に至るまで温かいのです。
よく手が冷える、足が冷えるという人がたくさんいます。
冷えているということは、血行が悪いということです。
その人の気の循環が、きちんと末端まで到達しているかみてみましょう。

「気巡れば、血巡る。」「気は血の帥。」という言葉があります。
帥とは率いるとか将軍という意味です。つまり、気は将軍のように、血という軍隊を率いて、全身をくまなくめぐって血を運ぶのです。

だから、気虚や気滞により、気の推動作用が低下して手足が冷えるケースの場合、気虚や気滞の証候を改善することによって、血液の循環をスムーズにし、冷えの症状を解消することができるのです。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年7月4日 最終更新日:2012年7月4日

わかりやすい中医学入門 【気血津液】⑨

※効果や感じ方は人によって異なります

まとめ

先天の精気は腎に貯えられており、生命の成長、発育、老化などに大きく関わってきます。

水穀の精気は、脾胃で消化吸収され、飲食物から得られる後天的な物質です。

呼吸の気は、自然界に存在し、肺を経て体内に吸入されるもので、自然界の清気といいます。

大切なことは、たとえ先天の精気が弱くても、水穀の精気や自然界の清気で補うことができ、逆に先天の精気が強くても、水穀の精気や自然界の清気をうまく取り入れなければ、健康ではなくなるということです。

したがって、気が体内で十分に生成されるか否かは、先天の精気が十分あるかどうか、飲食物からどのような栄養を取り入れるか、また、どのような呼吸をするか、すなわち脾、肺、腎の三臓の機能が正常かどうかにかかっているといえます。

だから、虚弱体質の人でも、食生活に気をつけたり、運動したり、ヨガの深い呼吸法を日常生活に取り入れることで、気を整え、心を安定させ、体質改善が可能といえるのです。

逆に、健康な人でも暴飲暴食により脾胃を傷めたり、ストレスにより浅い呼吸をしていたりすると、後天の気が生成されず、先天の気が補充されないので、健康を害するのです。

※効果や感じ方は人によって異なります

初めての方は、まずお気軽にお電話ください。ご来院前にお電話でのご相談も行っています。
大阪府豊中市服部南町1丁目3番33号
阪急宝塚線 服部天神駅徒歩3分