妊娠中の腰痛

妊娠中に腰痛が起こる原因

反り腰による、腰椎の前弯過多による筋肉の緊張から起こります。

胎児が成長し、お腹が重く前に出てくると、腰の骨が前に傾き反り腰となります。
そうすると、背中の筋肉(腰背部)はそれを戻そうとして、いつも力が入った状態で緊張しています。緊張が強くなると、深部の筋肉まで緊張が広がり腰痛が起こります。ひどくなるとでん部に痛みを引き起こし、さらにひどくなると太ももからふくらはぎ、足の先まで神経痛を引き起こします(これは妊娠時の座骨神経痛の原因の一番多いものです)。

腰痛を改善するにはどうすればいいか

腰の筋肉とお尻の筋肉がいつも緊張した状態で腰痛を引き起こしていますから、この部分の筋肉を緩める事が改善につながります。

筋肉を緩め、筋肉が弾力を取り戻すことで、反り腰で圧迫された骨や神経が緩められ、結果的に痛みを緩和します。

腰痛をマッサージにより改善する

横向きに妊婦が一番楽な姿勢になってもらい、下になった足をまっすぐに延ばし、上の足を90度近く曲げ、安定した姿勢をつくります。

その状態で、腰とでん部をマッサージでほぐしていきます。
特に重要なのは、相手の身体が動いたり揺れたりする強いマッサージは避けることです。固定された状態から身体が動くことで、お腹に負担がかかることがありますので、身体が動いていないかを確認しながらマッサージを行います。
マッサージの強さは、一回の指圧に5秒ぐらいじっくり時間をかけながら、適度な強さで押さえていきます。

一番大事なのは、恐怖を感じない程度に柔らかく気持ちよく抑えることです。強すぎないか、柔らかすぎないか、どの様に感じているかを確認し、気持ちよく感じるマッサージを行うことが大切です。

腰痛を鍼治療で改善する

鍼治療は、深部の神経圧迫を取り除くために、腰の筋肉とでん部の筋肉を柔らかく鍼でほぐしていきます。
手で行うマッサージより、直接患部に鍼を届かせますのでより効果的です。0.12ミリ~0.15ミリの髪の毛より細い鍼を使用しますので、指よりも妊婦への負担が軽くなります。
鍼治療は、手技によるマッサージより深部の筋肉までほぐせますので、効果の持続性が長いといえます。

生活を改善する事が一番大切です

実は妊娠する前の数年間の健康状態や生活状態がそのまま腰痛の原因になっています。

本来でしたら、妊娠前から適度な運動と、バランスの取れた食生活を意識できればいいのですが、そうでない場合も多いと思います。
特にもともと運動不足で筋力が不足している人、姿勢が悪い人、便秘気味の人、食生活に偏りがある人、ストレスが多い人は腰痛を起こしやすいといえます。
腰痛かなと感じる前から、適度な運動と、バランスの取れた食生活を行うように気をつけましょう。
適度な運動では、腰痛の原因を改善する腹筋とお尻の筋肉、太ももの後ろにある座骨から膝の下につく筋肉(ハムストリングス)を意識して行いましょう。 ただし、無理な運動は逆効果ですので、ご注意ください。

食べるもので筋肉の質は変わります。

ビタミンやミネラル、たんぱく質や脂質、炭水化物など、バランスのある食生活を行うことにより、血液の質や血流が改善し、固く緊張した筋肉がやわらかく柔軟な筋肉になり、腰痛を防ぐことができます。

妊娠中の方への主な治療科目

筆者
はらだ鍼灸整骨院 院長 原田浩一
"はり・灸と健康は仲がいい"

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