慢性頭痛に効果がある体操

筆者
はらだ鍼灸整骨院 院長 原田浩一

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なぜ体操が効果があるのか

緊張性頭痛は、日常生活の中で起こる肉体的・精神的ストレスによる筋肉の緊張が原因です。ですので、頭を支える筋肉が凝って、さらに頭の筋肉も緊張して血流が悪くなり、頭痛が起こります。
対処法としては、緊張した頭の周りの筋肉や、首・肩背部・上肢の筋肉をほぐすことです。
この体操は、首・肩周囲のコリを改善し、脳の血流も良くし、さらに脳の緊張も緩和するように構成されています。肩の体操から始まって、首の緊張を取れる体操を選んであります。首の緊張は、なかなかほぐしにくいのですが、この首の体操は簡単で、しかも効果が高いのです。
さらに、頭部のリラックス体操として、側頭部・後頭部・頭頂部のマッサージに加え、目・耳の体操を取り入れました。頭部の血流を良くするだけでなく、精神的な緊張も緩和させます。
最後に、頭蓋骨を引き締める体操をすることで、頭部と肩背部のコリを改善させます。誰でも、どこでも行え、短時間で肉体の疲労と精神の緊張を同時に和らげるストレッチ、マッサージ、体操を厳選しました。

なぜ呼吸法が効果があるのか

呼吸は心の動きに合わせてリズムをとっています。感情にあわせて無意識のうちに呼吸の形が変化しています。変化することによって、驚きや緊張などの状態に全身で対応しています。
たとえば、不安やあせっているときは、浅い小刻みな呼吸になります。

緊張、悲しみ、不安、悲観などマイナスの感情を持ったときは、吸う息にウエイトがかかっています。
悲しいときは、吸う息に力が入っています。

このような、一定の感情刺激が長期間続くと、その感情に応じた呼吸も、同じ期間続くことになります。そして、かたよった呼吸をそのまま続けていると、無意識のうちにその呼吸が習慣化するのです。

いいことはなかなか習慣になりにくいのですが、悪いことは癖になりやすいのです。呼吸においても同じことがいえます。
では、かたよった呼吸の形が身についてしまうと、どうなるのでしょうか?

感情によって呼吸のかたちが変化する


呼吸の形というのは感情と相応しています。感情によって、呼吸の形が変化するように、呼吸も感情に影響を与えるということです。
イライラしたり、怒りっぽくなっているときは、吐く息が短く、息を吐き出せない状態で、吸う息にウエイトがかかっています。
吸う息は力が入り、小刻みになっています。

イライラが長期間続いて、このような呼吸が身についてしまうと、問題が解決したあとでも、呼吸が感情に与える影響によって、いつもイライラしたり、怒りっぽくなったりするのです。

同様に、不安になっているときの呼吸の形が身につくと、常に不安にとらわれるようになり、悲しみの呼吸が身につくと、常に不安にとらわれるようになり、悲しみから抜け出せなくなるのです。

では、肉体的にも精神的にも健康な、自然な呼吸とはどのようなものなのでしょうか?

自然な呼吸というのは、吐く息が長く、吸う息は自然で力が入っていない呼吸です。吐く息は力強く、長く自然に吐き出されます。
息を長く吐くということによって、たくさんの空気を身体内に取り入れることができるのです。
長く吐くということは、たくさんの空気を吐き出しているということです。吸う息は息を吐いた分だけ、入ってくるのです。吐き切ったとき、吸う息は堰を切ったように自然に入ってくるのです。

たくさんの空気を取り入れるためには、息をどれだけ吐ききるかということが何より大切なのです。

中医学の視点から見た呼吸について

呼吸は単に酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出しているのではありません。
空気は空の気と書くように、空気には自然界の気というエネルギーが存在しているのです。
空気のことを中医学では自然界の清気といっています。
たくさんの清気を取り入れようと思えば、長く吐き出せばよい、ということなのです。入れるためには、まず吐かなければなりません。

当院推奨の緊張性頭痛に抜群の効果がある頭痛改善体操

(イラストと実際に行なっている映像を掲載しますので、それらを参考にして行なってみて下さい)

1.肩のリラックス体操1


息を軽く吸いながら、左右両方の肩を上げて息を止め、数秒その姿勢を保持し、息を強く吐きながら、一挙に肩を下ろし脱力する。

2.肩のリラックス体操2


肘を曲げ、両手の指先を同側の肩の前に軽く付け、息を軽く吸いながら、内側から外側に肘頭で大きく円を描くように回し、息を強く吐きながら下に降ろす。

3.首のリラックス体操1


左右の5本の手指を背中で組み、息を吐きながら、背筋を伸ばし胸を張り、組んだ手を下に降ろします。

息をゆっくり長く吐きながら、首を左側に倒す(左右どちから始めても良い)。今度は、同様にして右側に倒す。息を段々と深く吐きながら、2、3回行う。倒して気持ちの良い側、または伸びにくい方を多く行う。

ポイント

背中で手を組むことで、肩背部が固定されて、首のストレッチがより有効にでき、緩めることが難しいと言われる首の筋肉を驚くほど伸ばすことができるのです。

4.首のリラックス体操2


左右の5本の手指を背中で組み、息を吐きながら、背筋を伸ばし胸を張り、組んだ手を下に降ろします。

息をゆっくり長く吐きながら、首を左から右側に回す。左右どちら側から始めても良い。2回目は、同様にして首を回しながら、回りにくい所や、もっと伸ばしたいところで動作を止めて、伸ばしたい方向へ息を吐きながらストレッチ。

首を右から左側に回して同様のことを行う。
以上の方法で左右ともに2,3回行う。
なお左右差がある場合、回しにくい側を1ないし2回多く行う。

ポイント

背中で手を組むことで、肩背部が固定されて、首のストレッチがより有効にでき、難しいと言われる首の筋肉を、柔らかい力でも伸ばし緩めることができるのです。

5.頭部のリラックス体操

[側頭部]

軽く左右の手で拳をつくり、左右の側頭部(こめかみの横上)を軽く圧して、側頭部の頭皮を拳を使って上下に動かし、さらに頭皮を拳を使って回すようにマッサージ。

※動画では顎関節症の方へ筋肉を緩めてリラックスできる体操を紹介しています。マッサージの方法は一緒ですので、参考にご覧ください。

[側頭部から後頭部]

側頭部に手掌をあて、頭皮を上下に動かし、さらに回すように、こめかみから後頭部までマッサージ。

[頭頂部]

左右の指を組み、その組んだ指で三角の山の形を作り、手掌を頭頂部に軽くあて、正中線に向かって、息を深く吐きながら手掌を引き寄せる。同様の方法で、前頭部から後頭部まで、正中線に沿ってマッサージ。

6.目のリラックス体操


親指の腹を、左右眉毛の下の内側の骨にあてがい、息を吐きながら、あてがった親指の腹を軽く上方に押すように圧を加える。この時、軽く首を曲げると、親指の腹に頭の重みが自然に加わり、気持ち良く楽に行える。目の内側から外側まで指をずらし、息を吐きながらゆっくりと行う。

7.耳のリラックス体操


左右の人指し指を真っ直ぐに伸ばして、耳の裏側にあてがい、耳を前に押すように上下に人差し指を動かし、耳も軽く動くようにマッサージする。左右の耳たぶを左右の親指と人差し指でつかみ、息を吐きながらゆっくりと気持ち良く、外側に引っ張ってストレッチ。
左右の耳尖の側頭部に、それぞれ左右の手掌を当て、上下左右に回すようにマッサージ。

8.頭蓋骨を引き締める体操


左右後頭部の最も下の頭の骨に対して軽く拳を握り、息を吐きながら、後頭部の骨を下から上に向かって軽く心地良いようにトントンと叩きます。10回前後、行います。
トントンと叩く場所は、後頭部の骨で、うなじではないので注意しましょう。うなじを垂直に叩くと、痛みが増強したり危険なので避けましょう。

ツボを押して自然回復力をアップする

中医学の視点から見た、心身の働きを改善できる基本の経穴(ツボ)です。どの慢性頭痛にも対応できます。効果は全身的に働き、個々の自然回復力をアップさせます。

ツボ(経穴)の押し方

最も軽い力で、圧力が加わる位置と方向と角度を探します。ツボは押す方向、すなわちベクトルを的確に合わせると少ない労力で高い効果を得ることができます。

※中医学による頭痛治療は、一人一人症状の背景となる原因を分析し、病態の発展メカニズムを明らかにし、身体の総合的な状態を証に表します。個々の症状に対して治療を施すのではなく、身体の総合的な状態に対して治療を施します。ですので、同じ頭痛という症状でも一人一人治療方法は異なります。
今回ここにご紹介するツボは、自然回復力を促進する、どなたにも有効なツボを紹介するに留めております。

※ツボの位置は、イラストと映像を参考にしてください。

身体全体の水の流れ(気・血・水の鬱滞)を改善するツボ

合谷


気の流れを改善、または気を補うツボ。

位置:手の人差し指と親指の間、両方の骨の間、指の突き当たる所を人差し指側に上方に押す。

太衝

血の流れを改善、または血を補うツボ

位置:足の足背、親指と人指し指の間、両方の骨の結合部、指の突き当たるところを上方に心地良いように持続して押す(持続は、3~5秒)。親指を足底の拇指球の下にあて、人差し指・中指と薬指を足背の親指と人差し指の間にあて、薬指が二つの骨の基底部にあたるように当て、骨の間を上方または足底に対して垂直に押します。

三陰交

体内水分の流れを改善、または水分を補うツボ

位置:内顆(足首の内側にぽこんと出ている骨)に親指以外の四指を重ね、人差し指が骨に当たる所、骨に沿った窪み。人差し指を内顆から人差し指があたる位置まで骨に沿わせて上げて行き、筋肉の窪んだ所。

心を安定させるツボ

百会


気を静め、心を落ち着かせるツボ

位置:左右の耳尖を結ぶ正中線上にあります。左右の親指を覗く四指の指先の第1関節と第2関節を曲げ、百会を中心に垂直に押します。ポイントは、指の力だけで無く、肘の重しを利用して押すと楽にできます。

快食・快便・快眠のツボ

足三里


胃腸の働きを整え、気分をリラックスさせるツボ
位置:足首を背屈すると下腿部で盛り上がる筋肉(前𦙾骨筋)、外顆の少し前(足首の外側に盛り上がった骨)に、人差し指・中指・薬指を重ねて上方にずらし、人差し指が骨にあたるすぐ前下方です。

リラックス呼吸法

当院が推奨する、慢性頭痛のすべての頭痛のタイプに対応でき、とても効果があるリラックス呼吸法です。

基本の呼吸

①口を少しすぼめるようにして、ゆっくりと細く、できるだけ長く息を吐き出します。
②同じ強さで、息を吐き続けます。
※同じ強さで息を吐いていくと、しばらくして吐く息がなくなって、自然に息が止まります。
③息が止まった状態で、続けて同じ強さで息を吐いてみてください。ここで大切な点が一つだけあります。
息を吐き切ったとき、さらに余分な力を加えて息を実際に吐こうとしがちです。
そうすると、余計な力が入って、逆効果になってしまいます。
実際には息は出ていませんが、息を吐いているときの力がそのままかかっている状態が正しいのです。
気持ちだけ息を吐いていますが、息が出ていないということは息が止まった状態です。
息を長く吐いて自然に吸うという呼吸法の基本動作は音楽でいえば曲の主旋律やリズムを奏でていることで、止まった息の状態が曲の主題となります。
ですので、この一瞬が最大のポイントです。この息が止まった状態をゆっくりと楽しむように呼吸法を行ってください。
④吐く力を抜くと息は堰を切ったように入ってきます。軽く、自然に入ってくるのに任せます。
吸う息は意識的に吸うのではなく、受動的に任せるところがポイントです。

リラックス呼吸法の行い方

リラックス法による暗示


① 「そうだ、そうだ」という気持ちで肯定的に暗示を行います。たとえば、私は健康になる、と暗示します。
② 「そうなりつつある」と現在進行形でイメージします。
私は健康になりつつある、とイメージします。
③ 「すでにそうなっている」というイメージを浮かべます。
私はとても健康だ、とイメージします。
このとき、無理にイメージを作ろうとしないで自然にそうなっているというイメージが浮かぶまで待ちます。受動的なのが良いのです。

頭痛が起こってしまったときのイメージ法

リラックス実践法


脳はイメージ、思い浮かべたことと実際に起こったことを区別しません。不安な気持ちや緊張した気持ちとリラックスした気持ちは同時に発生しません。
ですから、ゆっくりできるイメージを浮かべると、リラックスできるのです。

~血管性頭痛のときは~

ズキズキと偏頭痛がするときのイメージは、さまざまなことからすっかり離れて、静かな部屋で灯を消してひとりでゆっくりと休んでいるイメージがいいでしょう。
―例―
部屋でくつろぐイメージ


1. 誰もいない静かな部屋にいる。
2. あたたかい布団の上に寝転がっている。
3. 私はこれからくつろぐことができる。やっとひとりっきりになれた。
4. 灯を消して、ゆっくりと眠る。
5. あたたかいお茶を飲んでゆっくりと眠る。
6. もう、何も考えなくていい。
7. ただ、ゆっくりと眠る。
8. ゆったりとした時が流れていく。
9. ただゆっくりと眠る。
10.気持ちがだんだん落ち着いてきた。
11.私はこれから、ふか~くくつろぐことができる。
12.私はゆっくりとくつろいでいる。
13.頭のなかが真っ白になってきた。もう何も考えなくていい。
14.私はこれからふか~い平和な眠りに入っていく。
15.私は母に抱かれるように、眠る、安らかに眠る。ぐっすりと眠る。
★気持ちはゆったりとくつろいでいます。
★ふか~いくつろぎが広がっていきます。広がっていきます。

~緊張性頭痛のときは~

頭が締め付けられるように重いときのイメージは、身も心もリラックスできるようなもののイメージが良いでしょう。
―例―
温泉のイメージ


1.私は大好きな温泉にきている。
2.人肌ぐらいのあたたかいお湯がたっぷりと溢れ出している。
3.私はゆっくりと温泉につかっている。
4. 気持ちはゆっくりとくつろいでいる。
5. 暖かいお湯が身体中にしみわたり気持ちがいい。
6.とってもあったかくて気持ちがいい。
7. 私の身体は自然に浮かんでそのお湯のなかにぷかぷかと浮いている。
8.ゆらゆらと揺れるたびにふか~くくつろいでいく。
9.だんだんふか~くくつろいでいく。
10.温泉の前にはきれいな海が広がっている。
11.とっても幸せな気持ちだ。
12.とても幸せな気持ちが全身に広がってゆく。

高原のイメージ


1.美しい高原に来ている。春の朝だ。太陽の日差しがぽかぽかと暖かい。
空はすっかり晴れ渡り、とても穏やかな日和だ。
2.どこまでも広がる草原。緑のじゅうたんを敷き詰めたようだ。
ふかふかの若草の上で寝転がっている。
3.あたたかくていい気持ちだ。
背中に新芽の生き生きとした息吹を感じる。息吹が伝わってくる。
4.気持ちがだんだん落ち着いていく。イライラした気分が消えていく。
5.大空を眺めている。どこまでも青い空が広がっている。限りなく広がる。
6.空は大きい。空を眺めているとだんだんと気持ちが大きくなってくる。
7.空を眺めていると、嫌なことが、青空のなかに吸いこまれていく。吸いこまれていく。
8.イライラした気分がみんな、青空のなかに消えていく。
★気持ちはゆったりとくつろいでいます。
9.遠くの山の上から真っ白な大きな雲がゆっくりと流れてきた。
10.風に身を任せて、ゆっくりと流れている。
11.あの雲のようにゆっくりと身を任せていこう。
12.だんだん首や肩の緊張が取れていく、取れていく。
気持ちはゆっくりと落ち着いています。
13.新鮮な空気がとてもおいしい。
さらにふか~くくつろいでいきます。
14.私は物事を全ていい方へ、明るい方へと考えていく。
私はすべていい方へ明るい方へと考えていく。
物事を全て、いい方へ、明るい方へ、と考えていくことができる。

筆者
はらだ鍼灸整骨院 院長 原田浩一

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