不眠を解消する体操

不眠を解消する体操

いつでも、どこでも、どなたでもできる運動を、いくつかご紹介してみましょう。

①赤ちゃん体操

まず仰向けに寝てゆっくりとします。両手両足を、天井に向かって挙げます。そして赤ちゃんのように手足をぶらぶらさせてみましょう。ゆっくりから初めて、慣れてきたら、少しだけスピードを挙げても構いません。息を吐き出しながら一息で「アー・オー・ンー」と発声しながら行なうと、効果が倍増します。

簡単な動作ですが、とても高い効果が得られます。

毛細血管の70%が手足に集まっています。
手足を揺さぶることで、毛細血管が鼓舞され、全身隅々まで血液が行き渡るのです。爪先から、頭のてっぺんまで血液が行き渡ることで、身体の各機能が整い、気分も改善されるのです。
身体の機能が整い、気分が良くなれば、不眠の改善につながります。

両方一緒が困難な方は、手と足を別々に行いましょう

手と足を同時に上げることが困難な方は、手だけ、足だけ、別々に行います。
手や足を垂直に上げられない方は、手や足をそのままで、または手だけ万歳した状態で手足を揺さぶりましょう。
同じ効果があります。
動作は自分に合わせて無理なく楽しく行い、運動の後は、心地良い、気持ち良いと言う感覚が大切です。
息切れをしたり苦しくなるのは、やり過ぎです。
慣れるまで最初は一息毎に休みながら、体調に合わせて行いましょう。慣れてきたら、段々と30秒、1分と延ばして行きます。

休息が大切です。休息の時に身体が改善されます。


休息はその度毎に行い、30秒から1分と、身体を動かしたのと同じ時間を取りましょう。
この休息の時に、鬱滞したところの血液が巡り、不足したところに血液が運ばれるのです。
血液が全身を隅々まで巡ることによって疲労が回復し、免疫力が高まるのです。
最初は、運動1に対して、休息3ぐらいの割合で行なうと良いでしょう。

②1日1回、1分の足踏みのリズム運動から始める足踏み運動

立ち上がってその場でゆっくりと足踏みをしましょう。

最初は、手すりや壁、または身体をしっかりと支えてくれる物を手で握ります。
バランスを崩して身体がよろけても安心な状態で行います。

手すりをもって左・右、左・右と、その場で足踏みを行います。足の高さは、最初は低くしましょう。
自分の体調に合わせて楽しくリズムを取りましょう。
1,2、3,4,と数えながら行なうと良いでしょう。
10回くらいで休み、慣れてきたら少しずつ長くしていきましょう。最初は、最長でも1分続けたら、休息を取りましょう。段々、3分、5分と延ばしていきましょう。

その場で足踏みすることは、一つのリズム運動です。
リズム運動は、副交感神経を刺激して、緊張を緩和し精神の疲労を取り、和やかな気持ちにさせます。

雨の中でも家の中でも行え、またいつでも始められます。身体は動かすことで動けるようになるのです。
動くことが不眠の解消の第一歩です。

③大きくステップアップした踏み台昇降


自宅の階段などを使って、階段の最初の一段だけを上り下りします。
1,2で、右足、左足と階段を一段上り、3,4で右足、左足と階段を一段降りるのです。

左右どちらの足からでも構いません。この動作で使うのは、たった一段の階段だけなのです。
この動きを分析すると、太ももを上げながら膝を曲げ、爪先を背屈させると言う動作です。正しく歩く動作と同じです。

更に体重という負荷をかけるので、身体のバランスを取るということが必要になってきます。
さらに腰やお尻の筋肉も使います。

この動作は簡単ですが、正しく歩く動作であり、足全体の筋肉を鍛えることができるのです。
動くことは、不眠解消に何より大切であると申しました。

また同じ動作を続けるというリズム運動なので、高齢になる程低下しやすいバランス感覚が養われます。
このリズム運動によって副交感神経が刺激され、心を和やかにさせるのです。

また足首を挙げる筋肉が鍛えられ、爪先を挙げる習慣が身につくのです。
高齢になるとつまずいて転倒しやすくなるのは、爪先が床や地面にひっかかるからです。
さらに、バランス感覚を失って自ら転倒するのです。

私たちは誰しも生きている間、自分の足で歩きたいという願望をもっています。

三拍子揃った理想の体操

この動作は、自分で歩くための筋肉を強化するだけでなく、バランス感覚を養い、転倒を防止し、ストレスを解消する、またとない三拍子揃った理想の体操なのです。
とくに雨の日でも家の中で行えるので、休まず運動を続けることができます。

1日1分からはじめ、毎日5分を目指しましょう。

自分ことは自分ででき、買い物や、芸術、音楽会など行きたいところに、いつでもどこでも自分の足で行けることはとても嬉しいことです。


足に負荷をかけて歩くことによって、歩けるようになるのです。
腎臓から腸内の免疫細胞に、歩くために必要な「筋肉を太くしなさい」という指示が働き、骨に適度な過重をかけてあげることによって、「骨にカルシウムを送って骨を強くしなさい」という指令が発動されるからです。
生きている限り何歳になっても、このような免疫作用が働いているのです。

元気で歩くと言うことが、不眠の解消だけでなく、元気になる秘訣なのです。

④綺麗な金魚のように優雅に身体を動かそう – 金魚体操 –


仰向けに寝て、左右の手指を頭の下(首のすぐ上)で組みます。

軽く足首を合わせます。

肘を床に平行にした状態で、左を足の方に下げ、右を足の方に交互に下げます。この動きを左右、すばやく行います。

腰腹部を意識して、腹筋に少し力を入れ、足首は床すれすれか、1~3㎝ほど軽く浮かします。足首は合わせるだけで、床に置いたままでも結構です。

肘を床に平行に、爪先に向かって下に左右に交互にすばやく動かすことで、腰腹部を中心に上半身と下半身が連動し、金魚が泳ぐように身体が左右にしなります。
手と足は同じ方向に動きます。

息を吐きながら、腰腹部を意識して、お腹に少し力を入れ、踵を心持ち挙げるように行います。

肘を爪先に向かって、すばやく小刻みに動かすことがコツです。
ゆっくりしたり、早くしたり、心地良いリズムで行いましょう。

不眠解消にもってこいの体操です。

効果は、背骨を整え、血流をよくし筋肉の凝りをほぐします。
自律神経のバランスの改善に効果があり、不眠の解消にはもってこいの運動です。

⑤背伸びと捻りの体操


仰向けに寝ます。足は肩幅にして、両手を万歳します。
息を吐きながら、手は上に、足は下に伸ばします。

息はできるだけ長ーく延ばし、身体が気持ち良く伸びてゆくのを感じながら行います。
身体のそれぞれの部分に意識をもってゆきながら伸ばすと、効果的です。
たとえば、

〇肩や肩甲間部
〇腰
〇膝の裏やアキレス腱
〇首や頭

爪先から頭のてっぺんまで伸ばしていきます。
一つの部位が緩むのを感じたら、次の部位が伸びるのをイメージして行います。
一息はできるだけ長くして吐ききったら、息を吸って息継ぎをして、また息を深く長く吐きながら行います。
仰向けに寝て、手足を上下に伸ばす、この単純な動作だけで慣れてくれば身体が随分と緩むようになってきます。

もっと上達すれば、伸びることをイメージして行なうだけで、とくにポーズを取らなくても身体を緩ますことができるようになります。
心のイメージは、身体に反映するからです。そういう意味で、心の緊張も身体に影響するので、気持ちをできるだけ穏やかに保ちましょう。

深い呼吸は、心と身体を穏やかにさせるコツと言えます。
ここで挙げている体操は、うまくなると効果は段々と高くなり進化していきますので、単に身体を動かす体操と思わずに続けましょう。

★運動は、肩こり・顎関節体操など、他の症状や疾患で挙げたものもお気に入りを見つけて、合わせて行うと、さらに効果的です。
何故ならば、疾患別の体操に見えても、すべての体操が精神と肉体の疲労の快復、免疫強化につながっています。
部分の疾患も、実は身体全体の不調が個々の部分に現れただけなのです。
全体を治せば、個々は自ずと整うのです。

食べすぎ、食べない、好きなものだけを食べるなどの食生活の偏りの改善。


食べたり、食べなかったり、また明かな食生活の偏りなどの食生活の不摂生は、胃腸に過剰な負担をかけます。
胃にもたれ感があったり、消化不良、下痢や便秘を起こすと、深い睡眠が得にくいのです。

さらに胃腸が傷害されると、筋肉に栄養が充分に供給されなくなり、筋肉が痩せたり筋力の低下を引き起こしたりします。
また胃腸が障害されると、自律神経が不安定になりやすく、心の平安が得られなくなり、入眠障害につながるのです。

自分にとっての正しい食事を見つけよう


正しい食事は、食事をした後、気分がよく、脈が整っています。また身体が温まり、エネルギーが沸いてきます。
一人一人、自分にとっての正しい食事は異なっています。身体の大きさや運動量、消化能力、精神状態も一人一人異なるからです。
カロリーや栄養などの資料は参考にとどめ、自分に取っての正しい食事を見つけましょう。

必要な栄養は、身体自身が知っている

本来、身体自身が自分にとって何が必要かを知っているのです。あれが食べたい、これが食べたいだけで無く、食べた後、気分が良く、脈が整い、身体が温まり、身体に何ら負担がなく自然にエネルギーが沸いてくるのを参考にしましょう。
多くの栄養雑誌は、学問的にはある意味正しいことを言っているかも知れませんが、決して一人一人に合わしたものではないのです。

頭を空っぽにしよう

冥想法


正座して座ります。
腰を伸ばし、背筋を真っ直ぐにします。
肩と首の力を抜きます。
両膝の間隔は、一拳か一拳半くらい、空けます。

肛門を意識して軽く締めておきます。
左右の爪先は重ねずに揃えます。
吐く息は口で、吸う息は鼻で吸います。吐く息は、長くを意識し、吸う息は意識せずに自然に入って来るのに留めます。
自分の呼吸に意識をおき、呼吸になりきります。

頭の中を空っぽにしていきます。浮かんでくることは、右から左に流します。
あーなりたいとか、こーなりたいとか何も考えずに、唯座ります。
自分のこだわりや経験、思考や感情を受け流し、離れていきます。

最初は難しいかも知れませんが、トライしてみましょう。続けることで進化し、段々うまくなるのです。
一杯に詰まった頭を空にすると、ものごとがありのままに見え、気持ちが楽になり、新たな発想が生まれてくるのです。

不眠症に関するリンク集

筆者
はらだ鍼灸整骨院 院長 原田浩一
"はり・灸と健康は仲がいい"

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