1.残留エネルギーを残さない
一番大切なことは、残留エネルギーを残さないことです。
よく働き、よく運動し、身体のエネルギーを使い切りましょう。身体のエネルギーを使い切ると、脳は身体が疲れたという信号を出します。眠りたくてたまらなくなるのは、脳が身体の疲労を回復させようとしているからです。
疲れているのに眠れない時は、たいていの場合、身体にはまだエネルギーに余裕があり、疲れているのは気持ち、すなわち精神なのです。
ところがこの時点で一般には誰しも、肉体が疲れていると考え、まずは身体を休めようと思います。しかし疲れているのは精神ですから、身体を休めても疲れは思ったほど取れません。
逆説のようですが、しんどいと思いながらも軽い運動をすると、段々動けるようになり、汗がじわっとにじみ出てくる5~10分後には、精神の疲れも取れてきて、爽やかな気分になるのです。身体を動かすことによって、気分転換ができた訳です。
運動によってセロトニンが誘導され、吐く息によって副交感神経が刺激され、両方の効果で気分が爽やかになったのです。
私は、仕事の後、レスリングで軽く汗を流しますが、5~10分もすれば身体が動くようになり、疲労が取れて気分が爽やかになるのを毎日経験しています。
仕事の後、疲労困憊したような時も適度な軽い運動すると、スッキリトした気持ちで1日を終えることができます。
運動は、軽くリズミカルなもので楽しく身体を動かすことができれば、何でも良いのです。
たとえば、音楽に合わせて、爪先と膝のバネを意識してその場で上半身を柔らかく動かしたり、ステップを使ったダンスを行いましょう。その場で、足踏みをしたり、縄を使わずに縄跳び運動を行なうのも良いでしょう。
自分の体調に合わせて、ゆっくり歩いたり速く歩いたりを交互に行なうのもリズムとなって良い効果があります。
私も運動を始めるまでは、仕事でエネルギーを使い切ったと思っていましたが、たいていの場合、エネルギーが残存していました。
2.食べすぎ、食べない、好きなものだけを食べるなどの食生活の偏りの改善。
食べたり、食べなかったり、また明かな食生活の偏りなどの食生活の不摂生は、胃腸に過剰な負担をかけます。
胃にもたれ感があったり、消化不良、下痢や便秘を起こすと、深い睡眠が得にくいのです。
さらに胃腸が傷害されると、筋肉に栄養が充分に供給されなくなり、筋肉が痩せたり筋力の低下を引き起こしたりします。
また胃腸が障害されると、自律神経が不安定になりやすく、心の平安が得られなくなり、入眠障害につながるのです。
自分にとっての正しい食事を見つけよう
正しい食事は、食事をした後、気分がよく、脈が整っています。また身体が温まり、エネルギーが沸いてきます。
一人一人、自分にとっての正しい食事は異なっています。身体の大きさや運動量、消化能力、精神状態も一人一人異なるからです。
カロリーや栄養などの資料は参考にとどめ、自分に取っての正しい食事を見つけましょう。
必要な栄養は、身体自身が知っている
本来、身体自身が自分にとって何が必要かを知っているのです。あれが食べたい、これが食べたいだけで無く、食べた後、気分が良く、脈が整い、身体が温まり、身体に何ら負担がなく自然にエネルギーが沸いてくるのを参考にしましょう。
多くの栄養雑誌は、学問的にはある意味正しいことを言っているかも知れませんが、決して一人一人に合わしたものではないのです。
3. 高齢者の方も眠るためには運動が不可欠です
高齢者の不眠も、運動不足による残留エネルギーによる不眠が多く占めています。
肉体が疲れていないので、肉体を休めるための睡眠意欲が起きないのです。
運動しないことによって、交感神経が過剰となって精神がイライラと、落ち着かなくなります。
そして眠れなくなるのです。
よく睡眠導入剤を使っている方が多く見受けられますが、導入剤では自然に眠りにつく深い睡眠は得られないのです。
そこでお勧めしたいのが、やはり軽い運動です。
身体を動かすことによって副交感神経が刺激され、そのエネルギーが増大し、交換神経を抑制し、緊張を緩和させ、心を落ち着かせるのです。
運動と言っても、激しく走ったり飛んだりする必要はありません。
深い呼吸でリズムを意識して楽しく身体を動かすことが基本です。