カテゴリー別アーカイブ: 花粉症教室

update:2012年4月23日 最終更新日:2012年4月23日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑮

※効果や感じ方は人によって異なります

本症例に対する刺絡治療

本年も体質改善のため月1~2回、定期的に刺絡を行う予定であったが、症状の増悪期の数回のみにとどまった。
結果を比較すると、定期的に行う方が風・湿・熱・燥・瘀血などの邪による症状及び体質改善において高い効果が得られた。

刺絡治療は風・湿・熱・燥・瘀血などの邪の改善に特効があり、根本的な体質改善も可能である。

結語
アレルギー性鼻炎は2、3種類の証候を同時にもち、虚実、寒熱が挟雑していることが多い。

湿と燥にみられるように、寒と熱という一見相反するように見える病象がしばしば組み合わさっており、標本を見分けて病態に応じた治療を施すことが大切である。

アレルギー性鼻炎の根本的な原因は体質であり、アレルゲンは単に誘因に過ぎない。体質改善により根本的な改善を図ることができる。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年4月23日 最終更新日:2012年4月23日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑭

※効果や感じ方は人によって異なります

治療の経過
鼻閉、鼻水、くしゃみ完全消失
目の周りのかゆみのみ、少し残存
 
治療後の症状
・蚊にかまれると、10~15センチくらいの内出血ができ、2週間くらいかゆく、跡の消失には1ヶ月かかっていた。
・現在は蚊にかまれても、3センチほどの内出血で済み、かゆみはすぐ消え、跡の消失は一週間になった。
・ほとんど毎日ステロイド剤を塗っていたが、現在は薬不使用。

・これまでは半そで、スカートから出ている手足の部分にもじんましんが出ていたが、出なくなった。
・身体が疲れにくくなり、目の痛み解消
・寝つき、寝起きが改善
・起床時、顔に枕の寝跡がつかなくなった。
・足のむくみの解消

経過
目の痒みも6月以外は起こらず、蚊にかまれても腫れなくなった。
アレルギー性鼻炎による症状はほぼ改善しつつある。ただし、口腔アレルギーの症状がそのまま残存する。

依然として湿の形成が多く、脾の機能改善が不可欠である。病位は肝・心・腎・脾で、いずれの臓腑の失調にも精神的な影響が大きい。

今後はこの口腔アレルギーの根本的な体質改善に努める。

<次へ続く>

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年4月20日 最終更新日:2017年8月9日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑬

※効果や感じ方は人によって異なります

<前回からの続き(症例)>

方解:
肝火が胆火および心火を誘って頭顔面部に上昇し、熱邪と燥邪による皮膚症状が現れている。
肝鬱により、肺気が宣散できずに鬱滞して鬱熱となり、肺気が充満して、鼻閉となり、さらに気血が瘀滞し、一層頑固な鼻閉を引き起こしている。
足の冷えやむくみ、のぼせなど、上熱下寒の症状を呈しているが、これらは心火が亢逆して、腎陽が不足し、心腎不交となったためである。

舌診では、まるで練乳につかったイチゴの先が少し出ているように、舌先が紅点で赤く染まり、それ以外の舌の大部分は真っ白になっている。
これは、肝鬱気滞の長期化や飲食の偏りによる、脾の過剰負担が原因で、脾虚失薀となり、上中下焦に湿が停滞していることを表している。
また、舌尖の紅点は心火を表し、上焦に熱邪があることを示している。
通常より長い睡眠を必要とするのは、脾虚失薀のためである。

3月7日より4月6日まで刺絡
(週1~2回、以下のツボより3~5穴選穴)
大椎→清熱通陽
大敦→清利膀胱湿熱
関衝→清利三焦湿熱
魚際→清瀉肺熱
商陽→清利陽明湿熱
4月7日以降5月末まで週1~2回、刺絡は委中のみとする。(回数10回)
委中(吸引)→清利湿熱
 
<次へ続く>

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年4月17日 最終更新日:2012年4月17日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑫

※効果や感じ方は人によって異なります

症例

女性 33歳
初診:平成16年8月6日
主訴:1.アレルギー性鼻炎  2.口腔アレルギー
症状:目および顔面部のかゆみ、鼻づまり

現病歴:
・16歳のとき、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが起こり、病院ではアレルギー性鼻炎と診断された。
・25歳になって、顔面部、特に、まぶた、目の下、眉の上が赤く乾燥。一日中かゆみが続くようになった。
・この頃より主となる症状が鼻水から鼻づまりに変化。
・通年性および季節性のすべてのアレルゲンを持っており、ほとんど1年中、鼻がつまり、顔がかゆくなり、12月・1月を除き、症状が増悪。
・16歳のときより、メロン、スイカ、桃、キイウイ、胡瓜、皮付きの茄子などを食べると吐き気がして、口や喉がかゆくなり、以来、現在までそれらを食することができない。
・病院では口腔アレルギーと診断された。
・このような体質を根本的に改善したく来院。

随伴症状:
仕事中――イライラ、易怒、焦燥感、不安
睡眠――いくら寝ても寝足りない感じがして、普通より多く寝ないと身体の疲れがとれない。多夢。
のぼせ、足の冷え・むくみ
口渇、喜冷飲。しかし、冷飲すると腹痛。
油ものをたべると胃が気持ち悪くなる。
便秘気味で、2日に一度、硬い便が出る。
汗をあまりかかない。

嗜好:チョコレート、ケーキ等、甘いもの
舌診:紅絳舌、舌尖紅
舌苔:薄白膩苔
脈診:72回毎分、滑
弁証:肝鬱気滞、脾虚湿蘊、心火亢盛(心腎不交)
配穴:疏肝解鬱――合谷、太衝、行間、内関
   健脾化湿――脾兪、陰陵泉、水分
   交通心腎――少府、腎兪、太谿
   通鼻竅――迎香

<次へ続く>

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年4月14日 最終更新日:2012年4月14日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑪

※効果や感じ方は人によって異なります

アレルギー性鼻炎の改善法について

体内水分の停滞の主な原因は飲食の偏りとストレスである。
体内水分の停滞や汚れを、どのようにしたら改善できるのか、具体的に考えてみよう。

①体内水分の排泄を促進する
・便通、排尿をよくする食物繊維を多く含んだ食品を摂る。
 食物繊維は腸内で、水分や老廃物を吸収し、便として体外に排出する働きがある。
 (玄米、麦、雑穀、海草、根菜、きのこ)

・脾に負担がかかる食品を控える。

・脾の負担は体内水分の停滞につながる。
(肉、油もの、甘い食物、アルコール類)

・水分、糖分を取り過ぎないようにする。

・運動により発汗や新陳代謝を高める。

②ストレスの発散
・毎日の生活リズムや生活環境を整える。
・少しの努力で達成される目標を持ち、自信に繋げる。
・個性・持ち味など、自分の良いところを伸ばす。
・他人との比較を辞め、心の声を大切にする。
・趣味などを通して信頼できる友人関係を築く。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年4月11日 最終更新日:2017年8月9日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑩

※効果や感じ方は人によって異なります

水の状態による5つの分類

①水がさらさらと流れ、透き通る様な綺麗な川
②田の水のように、水が溜まって流れがない状態
③泥の上に蟹が歩いているような湿地帯
④水の流れがあまりなく、底に冷たいヘドロが溜まっている状態
⑤水の流れがあまりなく、底に溜まっているヘドロが煮詰められ、水面に泡が吹いている状態

①の状態であれば、体内水分の代謝が正常な状態であり、自然界の風、寒、湿、熱、燥、暑、すなわち六淫に影響されずに恒常性を保つ。

②③④⑤は六淫に影響されやすい。また食生活においても、熱性・冷性・乾性・湿性など、食品の持つ性質に影響されやすい。
体質に合ったもの、体質を改善させるものを食べる必要がある。

体内水分の停滞
短期間の暴飲暴食やストレスが関与して起こるのでは無い。水道の蛇口をひねると水が増加して溢れだす様に、時間のかかるものだ。だから飲食や精神的なものについては自己制御できず、行き詰まるまで改められない上にそのことには気づきにくい。
アレルギー性鼻炎の主な原因は身近な私たちの日常生活の中にある。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年4月8日 最終更新日:2012年4月8日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑨

※効果や感じ方は人によって異なります

体内水分の停滞について

・この地球の地表の70%を水が覆っている。生命は35億年前に水から生まれたと言われ、人間は約60%が水で構成される(魚や植物は70~90%)。血液やリンパ液はその4分の1程度で、大部分は細胞内の水となっている。

・海の水が温められ蒸発し、雲となり、やがて雨や雪となって地上に降り注ぎ、川となって海へ戻る。

・この川を汚す主な原因が私たちの生活排水である。川が過度な栄養状態になり大量の植物プランクトンが発生し、死滅して湖底に堆積する。それらの分解時に多量の酸素を消費するため酸素が不足し、魚介類が住みにくくなる。

・私たちの出す生活排水が川の自浄作用を上回った。

・これを富栄養化といい、流れの緩い川において生じやすい。栄養過多は川と同じ様に人体にも悪影響を与える。

・アレルギー症状を起こしやすい人に一番多く共通する一つは、この川と同じように体内の水分が停滞し、代謝が悪くなって汚れる状態であった。

わかりやすくするために、体内水分の状態を自然の川と対比してみよう。

<次へ続く>

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年3月28日 最終更新日:2012年3月28日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑧

※効果や感じ方は人によって異なります

当院の患者 アレルギー性鼻炎100症例についての分析

身体症状
もっとも多い症状としては、身体が重だるく疲れやすいで、水湿による症状が90%以上に見られた。証候としては肝鬱脾虚、脾虚失薀などである。

飲食の偏りや肝鬱による脾の水液運化機能の失調
過剰な冷房や加齢により腎陽が不足

精神症状
もっとも多い症状としては、イライラ、落ち込む、不安で、肝鬱による症状が90%以上に見られた。証候としては肝欝気滞、心腎不交などである。

肝鬱に始まり心火を誘う、心火に始まり肝鬱を誘う、さらに心火が降逆して下降出来なくなり、心腎不交に陥るケースが多く見られた。
心腎不交による上半身ののぼせ、下肢の冷感という、上熱下寒の証候が60%以上に見られた。

これらは生活環境因子である飲食の不摂やストレス、精神的なものが関与している。

結論

アレルギー性鼻炎の発症は、ストレスなどの精神的なもの、毎日の食生活の習慣などが大きな発症原因の一つである。
※)加齢や睡眠、衣服、住居の環境の変化なども関与する。

次に、90%以上に水湿による症状が見られたので、私たちの体内水分がどのような状態になっているか見てみよう。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年3月21日 最終更新日:2012年3月21日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑦

※効果や感じ方は人によって異なります

4.肺

①アレルギー性鼻炎にみられる症状は、いずれも肺の生理と関係している。しかし、肺にみられる病象はあくまでも標証である。

②鼻汁のもとである湿の形成、衛気の不足や宣散異常などの根本的な原因として、他の四臓の生理が大きく関係している。

個々の発生メカニズムは一人一人異なるので、証を立てて治療を施すことが最も大切である。

分析のまとめ

・脾の損傷による水湿外出、外邪の侵入。

・冷飲食の過食・過剰な冷房・加齢、
 過剰な精神活動により、腎陽が不足して水湿外出。

・腎陰不足による目のかゆみや皮膚の乾燥。

・肝鬱により、外界の変化へ適応しにくくなる。

・肝鬱の長期化による皮膚の熱症状、乾燥、かゆみ。

・過剰な肝気の昇発による、鼻閉や鼻の乾燥。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2012年3月7日 最終更新日:2012年3月7日

第4回 鍼灸世界大会発表論文(アレルギー)⑤

※効果や感じ方は人によって異なります

3.肝(心)
①ストレスにより肝気が鬱滞し

肝鬱

全身をめぐるべき気の流れが鬱滞し内部にこもる

表層の気の流れが滞る

肺の宣散の働きに影響

衞氣による体表の守りが弱まる
つまり、肝鬱によっても外界の変化への適応がスムーズにいかなくなる

 

② 肝火は心火を誘ってよく上炎
肝鬱の長期化は火・風を生み、津液や陰を消耗

        ↓
     肺陰や腎陰の損傷
        ↓
頭顔面部に熱、燥、風などの陽症を生む
        ↓
皮膚の熱症状、乾燥、かゆみなどを引き起こす

③ 過剰な肝気の昇発
        ↓
木侮金となり、肺の宣散機能の失調を引き起こす
        ↓
     津液が表層にたまる
        ↓
       水湿外出

また、気滞による鬱熱は鼻閉や鼻の乾燥を引き起こす

※効果や感じ方は人によって異なります