カテゴリー別アーカイブ: やさしい中医学入門

update:2013年12月12日 最終更新日:2017年8月9日

わかりやすい中医学入門【腎】32

※効果や感じ方は人によって異なります

腎陽虚
腎気虚に加えて、陽の不足による寒性の症状があらわれる病証です。病位は腎、病態は陽虚です。腎精不足の証候とともに、腎陽の不足による温煦機能、気化機能の低下と、虚寒症状をともなう病態です。
腎の病位情報としては、腰の冷え、だるさで、気化機能の低下では、浮腫が現れ、生殖機能の低下では、陽萎や不妊をおこります。
陽虚の症状としては、気虚プラス寒証なので、寒がる、四肢の冷え、動くとすぐに息切れする、脈沈・弱、などの症状が現れます。

治療目的は、腎陽を補うことで、治療方法は温補腎陽となります。
腎の陰陽は根源は同じ腎精であるので、陽を補う時に加えて陰も少々補うことで腎精が補われます。その意味は陰中求陽と理解して下さい。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年12月8日 最終更新日:2013年12月8日

わかりやすい中医学入門【腎】31

※効果や感じ方は人によって異なります

腎陰虚
腎の陰液が不足した病証です。病位は腎で、病態は陰虚です。腎精不足の証候とともに、陰液の不足による虚熱と、濡潤不足による乾燥の症状をともないます。
陰虚による特徴的な症状は、五心煩熱、盗汗、午後の潮熱、頬部のほてり、のぼせ、舌診では舌色紅、苔少、脈診では細・数となります。潮熱とは、午後の決まった時間に熱が出るということです。盗汗とは、普通汗をかく状態でなくても、寝たら汗をかくという症状です。
五心煩熱とは、手・足・胸の中心が、特に夜ほてるという症状で、手足は二本ずつあるので五心と呼ばれています。

腎の病位情報としては、腰や下肢のだるさ、痛みです。
腎虚が精の不足をもたらし、血・髄に影響すれば、めまいや耳鳴り、難聴、脱毛、白髪、思考力や記憶力の低下、痴呆を引き起こします。
生殖機能に影響すれば、男性は遺精、早泄、女性は不妊症、流産しやすい、などの症状が現れます。
二陰に影響すれば、小便が黄色くなり、大便は硬く乾燥するなどの症状が現れます。
治療の目的は腎の陰を補うことで、治療方法は滋補腎陰となります。
鍼灸では、太谿、腎兪、復溜に加えて、三陰交を用い、虚熱が顕著なものには、照海、行間などを用い、熱を制します。

[代表方剤】
六味地黄丸

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年12月5日 最終更新日:2017年8月9日

わかりやすい中医学入門【腎】30

※効果や感じ方は人によって異なります

腎不納気
腎気虚のため摂納が弱くなり、呼吸障害がおきてくる病証で、病位は腎、病態は納気機能の減退です。病位情報としては、腰がだるい、痛むです。
疲労減退、息切れ、動くと症状が増悪するという気虚の症状を伴います。
病態としては納気機能の減退で、呼吸障害、呼多吸少、喘息などがあらわれます。

治療の目的は補腎と補気で、腎気を補って納気を回復させることです。治療方法は補腎納気となります。

【代表方剤】
人参胡桃湯(にんじんことうとう)、人参蛤蚧散(にんじんごうかいさん)

腎気不固
腎気虚のため、腎の封蔵(ふうぞう)固摂(こせつ)の機能が弱くなり、精関(せいかん)の固摂(こせつ)、または膀胱の約束機能が失調する病証です。
病位は腎にあり、病態は気虚による固摂機能の失調です。
病位情報としては腰がだるく、痛むなどです。
疲労倦怠感、息切れ、動くと症状が増悪するなど、気虚の症状を伴います。

治療の目的は、腎気を補って、封蔵機能を回復させることで、治療方法は、補腎固摂です。症状により渋精、縮尿、固衝、止帯です。
病位情報は、腰がだるい、痛むです。
疲労倦怠感、息切れ、動くと症状が増悪するなど、気虚の症状を伴います。病態は気虚による固摂機能の減退で、尿失禁(垂れ流す)、遺精、多尿、夜間頻尿、滑精、流産しやすい、うすい帯下などです。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年12月1日 最終更新日:2013年12月1日

わかりやすい中医学入門【腎】29

※効果や感じ方は人によって異なります

腎精不足
腎精不足のため、精殖機能の減退や老化が起こる病証で、病位は腎で、病態は精の不足です。
病位情報としては腰がだるい、痛む、尺脈弱などです。精の不足が生殖機能に影響すれば、陽萎や性欲減退、不妊などがあらわれます。老化に影響すれば、脱毛や歯の動揺、早期の老化や耳鳴り、難聴、痴呆などがおこります。

治療
治療の目的は、腎精を補うことです。
先天の精は後天の精によってバックアップされているので、脾胃の生化作用を強化することも大切です。
治療方法は補腎益精となります。

【配穴】
腎兪(じんゆ) 太谿(たいけい) → 滋補腎精(じほじんせい)
脾兪(ひゆ)、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう) → 健脾益気(けんぴえき)
【代表方剤】
河車大造丸(かしゃたいぞうがん)

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年11月25日 最終更新日:2013年11月25日

わかりやすい中医学入門【腎】27

※効果や感じ方は人によって異なります

腎(じん)の液はツバ
「延(えん)」とは、「よだれ」のことです。
唾液(だえき)のはたらきは何かというと、口腔(こうくう)をうるおして、口腔(こうくう)粘膜(ねんまく)を保護して、栄養と消化を助けます。「つば」と「よだれ」、どこが違うかというと、よだれは唾液の中のサラサラしている粘り気のない液体をいいます。そして、居眠りをしていると、口の横から出てくるのがよだれです。

さて、つばの分泌量が少ない、つばを吐き出そうとしてもなかなか沸いてこない、というのは、どこの問題かというと、つばは腎(じん)の液といわれ、腎(じん)と関係が深いのです。過労やとくに睡眠不足をかさねていると、唾液の分泌が少なくなります。つばを吐こうとしても、あまりでないのです。口を開けてみると、つばが舌に泡沫状(ほうまつじょう)に泡が散ったようについています。これは、分泌量が少ないということです。結構、疲れているときなどによくなります。

「精魂(せいこん)を傾ける」という言葉がありますが、精(せい)と関係の深い臓腑は腎(じん)です。魂と関係の深い臓腑は肝(かん)です。精(せい)魂を傾けるのはよいのですが、がんばりすぎて過労や睡眠不足などの不養生をかさねると、腎(じん)精(せい)や肝(かん)血を消耗するのです。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年11月22日 最終更新日:2017年8月9日

わかりやすい中医学入門【腎】26

※効果や感じ方は人によって異なります

骨と精(せい)の関係
精(せい)には髄(ずい)を生じる作用があり、髄(ずい)は骨の中にあります。
骨は髄(ずい)によって養われます。

腎(じん)精(せい)が充足していれば、骨(こつ)髄(ずい)を化生(かせい)する源がしっかりしているので、髄(ずい)がよく作られ、骨を充分に滋養(じよう)することができるので丈夫になります。

歯と精(せい)の関係
腎(じん)は骨を生じ髄(ずい)をつかさどっていますが、歯は骨余(こつよ)といわれ、腎(じん)精(せい)によって滋養(じよう)されています。腎(じん)精(せい)が充足していれば、歯はしっかりしていますが、腎(じん)精(せい)が不足すると、歯は弱くなり、最終的には抜けてしまいます。

耳と腎(じん)精(せい)の関係
聴覚の機能は腎(じん)の精気(せいき)と関係が深く、腎(じん)の精気(せいき)が充足していると、耳は良く聞こえます。
腎(じん)精(せい)が不足すると、耳鳴りや難聴を起こしやすいのです。

髪と精(せい)の関係
精(せい)と血は互いに化生(かせい)し養いあう関係にあるので、精(せい)が充足していれば、血も旺盛になります。
髪は血余といわれ、血によって髪は栄養されています。
精(せい)が充足していれば、血による栄養も充分となり、髪はつやがあり、根もしっかり生えています。

精(せい)が不足すると、髪はつやをうしない、白髪となり、抜けやすくなるのです。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年11月18日 最終更新日:2017年8月9日

わかりやすい中医学入門【腎】25

※効果や感じ方は人によって異なります

脳と精(せい)の関係

髄(ずい)は骨髄(ずい)と脊髄(ずい)とに分けられ、脊髄(ずい)は上部で脳につながっています。
脳は髄(ずい)があつまってできているので髄(ずい)海とも呼ばれます。

精(せい)が充足していれば、髄(ずい)海(かい)も充たされていますので、思考や記憶もよいのですが、精(せい)が不足すると髄(ずい)海(かい)を充たすことができないので、健忘や痴呆が起こります。

高齢者は基本的に腎(じん)虚(きょ)があるので、多臓腑(たぞうふ)疾患(しっかん)になりやすく、先天(せんてん)の本(ほん)である腎(じん)と後天(こうてん)の本(ほん)である脾(ひ)の状態を改善することが大切なのです。

恐は腎(じん)の志
腎(じん)の生理と最も関係の深い情志は恐れの感情です。
恐れすぎは腎(じん)をいためます。
古典には、「恐れすぎは気下(きくだ)る」とあります。気が下にくだるというのは、腎(じん)気が消耗して腎(じん)の固摂作用、すなわち漏らさない作用に影響して腎(じん)の固摂(こせつ)が失調することを意味しています。

二便に影響すると、尿失禁や大便失禁を起こします。
納気(のうき)に影響すると、吸気を腎(じん)に納めることができないので、呼吸により吸気を深く吸い込むことができなくなります。意識をして吸い込まないと深く吸い込むことができないので、呼多吸少となります。すなわち浅い呼吸となります。

たとえば、かくれて自分の真意に沿わないことをしているとします。バレないかといつも恐れていると、そのような感情は腎(じん)に最も影響します。長期にわたると腎(じん)に影響して、腎(じん)精(せい)を消耗すれば、腎(じん)精(せい)不足の症状があらわれます。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年11月15日 最終更新日:2017年8月9日

わかりやすい中医学入門【腎】24

※効果や感じ方は人によって異なります

腎(じん)虚(きょ)には次のようなタイプがあります。

腎(じん)を補うのですが、具体的に腎(じん)の何が虚(きょ)しているのか見極めることが必要です。
腎(じん)の何が虚しているのか具体的につかめば、補(ほ)腎(じん)プラス、気を補う・精(せい)を補う・陰(いん)を補う・陽(よう)を補うのにすぐれた治療穴を選穴、または、中薬を選択することができるのです。

腎(じん)の病証の発展の仕方をひとつ例にとって見てみましょう。
高齢者の方が腎陰虚(  じんいんきょ)になりました。
腎陰は肝陰・心陰・脾陰・肺陰をバックアップしています。

根源である腎(じん)陰(いん)が不足すると、多臓の病理に発展していきます。
いろんなパターンが考えられますが、例えば肺(はい)陰(いん)をバックアップできなくなると肺(はい)腎(じん)陰(いんきょ)虚(きょ)となります。
若い時から少し肺が弱い、すぐ風邪をひく、咳がでやすいのですが、タバコを吸いつづけて気管支をしょっちゅうわずらっています。
年齢と共に空咳や痰が多くなり、慢性の気管支炎に移行します。
腎(じん)陰(いんきょ)虚となり、腰がだるい、手足がほてる、寝汗をかく、などの症状が出ています。腎(じん)陰(いん)が不足して肺をバックアップできないので、肺のうるおいが益々なくなります。
もともと心臓が弱い人なら、心陰虚(しんいんきょ)に移行するかもしれません。
もともと肝が弱い人なら、肝陰虚(かんいんきょ)に移行するかもしれません。
弱いところに波及しやすいのです。
このような時、根源である腎(じん)陰(いん)を補うことが大切です。
根本的な原因に対しての治療と、対処的な治療を同時に施します。
根本的な治療をしておかないと、いくら対処療法を行っても、すぐ症状が再発するからです。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年11月11日 最終更新日:2017年8月9日

わかりやすい中医学入門【腎】23

※効果や感じ方は人によって異なります

④陰(いん)と陽(よう)のバランスがとれていました。何らかの原因で正常より陰(いん)だけが多くなりました。

年齢をかさねるにしたがって、腎(じん)の精気(せいき)はおとろえてきます。
そこで、更年期になると、陰陽(いんよう)のバランスをくずしやすいのです。
陰陽(いんよう)の根源は腎(じん)にあります。
これまでだんだん充盛していた腎(じん)精(せい)が、中年以降は徐々に退化し始めます。その結果、腎(じん)精(せい)が徐々に減少しはじめるのです。先天(せんてん)の精(せい)の寿命との関係からいえば、自然現象なのですが、腎(じん)陰(いん)・腎(じん)陽(よう)の根源は腎(じん)精(せい)なので、腎(じん)陰(いん)の不足や腎(じん)陽(よう)の不足を招きやすくなります。

高齢になると、腎(じん)精(せい)の衰退にともなって大きく分けると陰(いん)虚(きょ)タイプにすすむ人、陽(よう)虚(きょ)タイプにすすむ人がでてきます。
ともに共通しているのは、腎(じん)虚(きょ)です。
補(ほ)腎(じん)をすればいいのですが、腎(じん)の何が虚(きょ)しているかによって、冷えを訴える人、熱を訴える人、寒熱の変化がない人がいます。
寒熱の変化がないケースは陰(いん)と陽(よう)が同じくらい減っている場合です。

※効果や感じ方は人によって異なります

update:2013年11月8日 最終更新日:2017年8月9日

わかりやすい中医学入門【腎】22

※効果や感じ方は人によって異なります

②陰(いん)と陽(よう)のバランスがとれていました。
なんらかの原因で陽(よう)が正常な状態より増えてしまいました。

陰(いん)は正常ですが、陽(よう)が正常な状態より多くなりました。
陽(よう)が正常な状態より有余した状態ですので熱を発生します。
熱の性質ですが、陽(よう)が有余したための熱ですから、実熱(じつねつ)です。
実熱(じつねつ)の特徴は、虚熱に比べて強い熱で、熱が有余しているので一日中身体が熱くなります。ただし、体温とは関係ありません。
顔が赤い、汗がよくでる、喉がかわく、汗や尿が黄色い、便が硬い、などです。
実熱(じつねつ)と虚熱はこのように、発生する原因が異なりますので、治療方法もまったく異なります。

③冷えにも虚のものと、実のものがあります。陰(いん)と陽(よう)のバランスがとれていました。何らかの原因で正常な状態より陽(よう)だけが減りました。

陽(よう)が減ったことで相対的に陰(いん)が多くなりました。
寒性の陰(いん)の要素が多くなりましたので冷えを生じます。
しかし、寒の性質は、陽(よう)が減ったための冷えですから、虚寒(きょかん)となります。

※効果や感じ方は人によって異なります